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OhMyNEWS(軸丸 靖子)(2008年2月10日 付)

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男女の性差を考慮した医学・医療の研究を進め、病気の治療や予防・健康づくりに役立てようという「日本性差医学・医療学会」がこのほど設立され、9日に東京都内で第1回学術集会(会長=鄭忠和・鹿児島大学大学院教授)を開いた。

体の構造や特定の病気の発症リスクなどから、男女の体にさまざまな差があることは明らかだ。たとえば、急性心筋梗塞や狭心症の発症は男性では年齢とともに高くなり60歳代にピークを迎えるのに対し、女性ではそのピークは10年遅れの70歳代になる。また、同程度にコレステロール値が高い男女でも、心血管疾患の予防という観点からすると、女性は男性ほど降下薬を飲む必要はないといわれる。

だが、治療に使われる薬剤の有効性などは、実際は男性のみの臨床試験の結果で出されているのが現状だ。同学会はそうした男女の差を明らかにし、臨床に反映していくことを目指す。

第1回性差医学・医療学会に出席し、千葉県の施策について説明する堂本知事=2月9日、東京・港区のコクヨホール(撮影:軸丸靖子) 学会初日にあったシンポジウム「男女共同参画社会と病」では、パネリストの1人として2001年に全国で初めて女性専門外来を設置した千葉県の堂本暁子知事が登壇。

男性中心の医学・医療体制では、子宮内膜症や更年期障害といった女性特有の健康問題について研究がなかなか進まず、行政からの支援システムも得られにくいこと、また男性にも、中高年期のうつ病や自殺といった特有の問題があり、性差を考慮した行政支援が必要であることを説明した。

また別のシンポジウムでは、女性医学研究が進まない一因にもなっている女性医師や研究者の不足については、折からの医師不足問題と絡めて議論があり、24時間託児所や病児保育の整備、女性医師が育休中の代替要員の確保、復帰する際の研修など、必要な施策についてさまざまな意見が交わされた。

コメント:

女性研究者の不足の問題はいろいろな部分で影響を及ぼしているのですね