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AFP BB News(2008年2月 5日 付)

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遺伝子操作により風邪を引きやすいマウスの作製に成功したと、ロンドン大学インペリアル・カレッジ(Imperial College in London)の研究チームが4日の英医学誌ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)に発表した。せき、くしゃみ、ぜんそくなどの治療法開発への活用が期待される。

セバスチャン・ジョンストン(Sebastian Johnston)教授率いる研究チームは、通常はヒトやチンパンジーにしか感染しない大半の風邪の原因となる「ライノウイルス(Rhinoviruses)」に感染しやすいマウスを遺伝子操作によって作ることに成功した。これは、風邪のほか、ぜんそくや気管支炎など呼吸器官系の症状の新たな治療法の試験がしやすくなり、治療法の発見が早まる可能性を意味する。

ライノウイルスは50年前に発見されたが、マウスへの実験を行わない研究は難しいことが分かっている。1946年に英国でCommon Cold Unitが風邪の治療法を発見するため人体への実験を始めたが、問題解決に至らず1989年に解散した。

風邪の大半は細胞表面にある受容体分子にライノウイルスが付着したのを機に発症する。マウスの受容体分子はヒトのものとは若干異なるため、ライノウイルスは付着することはできない。今回、研究チームはウイルスを受容できるようにマウスの受容体分子をヒトのものに近いように作り替えた。

コメント:

マウスにとっては豪い迷惑なことですが、この技術が一般的に広まれば、治療薬の研究は進むことでしょう。