理系系ニュースで「遺伝子組み換え」と一致するもの

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佐賀新聞(2008年2月 8日 付)

記事:

 暗闇の中、ぼんやりと黄緑色に光る大豆の芽―。大豆の品種改良を研究テーマにしている佐賀大学農学部の穴井豊昭准教授(41)が、「光る大豆」の開発に国内で初めて成功した。大豆に蛍光タンパク質を注入する遺伝子組み換え技術を使った。発光クラゲの遺伝子を用いており、穴井准教授は「遺伝子研究に関心を持ってもらうきっかけにしたい」と話している。

 南米原産のオワンクラゲは発光器官を持ち、緑色に光る性質がある。穴井准教授は、クラゲから取り出した「緑色蛍光タンパク質」の遺伝子を、大豆の胚(はい)の細胞に注入。青い光を当てると緑色に波長を変える性質を、種子や葉、茎など全体に持たせた。

 これまでは、稲や植物のタバコを光らせた例はあるが、大豆の細胞は培養が難しく、国内では例がなかったという。

 遺伝子組み換えの農産物をめぐっては、消費者の不安が根強いのが現状。光る大豆はデモンストレーションが目的で、穴井准教授は「農薬を使わず安全に害虫を駆除できたりと可能性がある研究。もっと知ってほしい」と話している。

コメント:

発光クラゲの遺伝子を植物である大豆に組み込んでも発光するんですね。驚きです


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Nikkei NET(2008年1月17日 付)

記事:

 【パリ=古谷茂久】遺伝子組み換え作物の安全性を評価するフランス政府の諮問機関は同国内で栽培されている組み換えトウモロコシについて「(生態系への影響などに)深刻な疑いがある」との報告書をまとめた。ボルロー環境相は「至急、対策をとる」と述べた。世界有数の農業国が組み換え作物の栽培禁止に踏み切れば他国の農業政策に影響を与える。

 仏国内で栽培されている組み換え作物は現在、トウモロコシだけで、昨年の作付面積は約2万2000ヘクタール。報告書はこのトウモロコシに組み込まれた遺伝子が自然界に広まり「動植物や土壌の微生物に悪影響を及ぼす恐れがある」と指摘した。政府は2月から組み換え作物全体を規制する新法の制定に着手する方針だ。

コメント:

具体的な影響の中身について知りたいですね。人類に対する直接的な影響なのか、間接的な影響なのか等・・・。


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京都新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

2008年は、病気や事故などで傷んだ臓器・組織を修復する「再生医療」の元年となりそうだ。人間の体細胞から、あらゆる細胞や組織になる可能性を秘めた万能細胞「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」の作製に、京都大の山中伸弥教授が世界で初めて成功したからだ。「ノーベル賞級」との賛辞もある中、世界の研究者が実用化へ動きだしている。

「臨床医(整形外科)だったのに、いま基礎研究をしているのは、もっとたくさんの人の役に立ちたいと思ったから。20年間研究を続けてきて、ようやく、そんな細胞に巡り合えた」。昨年11月にiPS細胞の作製成功を発表以来、多忙を極める中でも山中教授はかみしめるように話す。

先に研究が進み、iPS細胞と同じ能力がある「ES細胞(胚(はい)性幹細胞」が再生医療の本命と見られていたが、受精卵から作るため、倫理面に問題があるとして研究に大きな規制を受けていた。そこに登場したのが、人の皮膚細胞から作るiPS細胞だ。京都の研究室から生まれた「夢の細胞」を治療に用いる研究は既に始まっている。

「iPS細胞を使った臨床研究は、安全性の試験と(治療に最適な)患者の選択を並行して行えば、1年以内にも開始できる」。昨年末に京都市内で開かれたシンポジウムで、理化学研究所の高橋政代・網膜再生医療研究チームリーダーは、iPS細胞を使った網膜再生で、黄斑変性など目の難病の治療実現が近づいていることを訴えた。

慶応大の岡野栄之教授は、脊髄(せきずい)を損傷して後ろ脚がまひしたマウスに、マウスのiPS細胞から作った神経前駆細胞を移植して、後ろ脚に加重できるまで回復させたことを明らかにした。「神経系の再生では、iPS細胞を使えばES細胞と同等の治療効果が得られると確信した」という。山中教授から譲り受けたヒトiPS細胞を使った研究も本格化させる。

■米と競争激化

日本と激しい研究競争を繰り広げる米国でも、マサチューセッツ工科大のチームが、マウスからiPS細胞を作り、さらに遺伝子組み換えして戻し、遺伝性の貧血を改善させることに成功した。

米国ではiPS細胞の研究に、10年間でカリフォルニア州政府が3000億円、マサチューセッツ州が1200億円という巨額の投入を決める中、日本も異例の速さで山中教授の支援を決めた。iPS細胞の特許を米国に独占され、日本発の研究成果が自由に活用できない事態が懸念されたからだ。

文部科学省は今後5年間で100億円を研究費に支出する方針で、京大は全国の研究者が集う「iPS細胞研究センター」を年内に着工する。最終的には延べ1万平方メートルの施設規模で、再生医療を実現するための研究拠点として期待は高まる。

山中教授のもとには、日米の製薬会社から共同研究の申し込みが殺到している。iPS細胞から作った組織にどんな成分が効くかを試し、新しい治療薬を開発する研究はすぐにも始まりそうだ。

■法整備が急務

iPS細胞は皮膚などの体細胞に、ウイルスベクターと呼ばれる運搬役を使って特定の遺伝子を導入して作製するが、「そのウイルスベクターや遺伝子が将来、がんを引き起こす可能性もある」と、京都大の中辻憲夫教授(物質-細胞統合システム拠点長)は安全面の問題を指摘する。そこで同拠点では、遺伝子の代わりとなる化学物質を使ってiPS細胞を作製する研究を進める。

iPS細胞の研究と臨床応用に関するルール作りも、これからだ。ES細胞のように受精卵を壊さずに済むが、倫理面の問題はすべて解決されたわけではない。iPS細胞からは精子や卵子、それらを使った受精卵の作製が理論的には可能だ。iPS細胞の作製は比較的容易なため、民間企業も含め研究が野放し状態になる恐れもある。

京都大の位田隆一教授(生命倫理)は「日本は生命倫理をどう扱うかという法的な態勢が遅れている。生殖補助医療に関する法律を定め、iPS細胞から作られる生殖細胞についても取り決めを設けるべきだ」と話す。

コメント:

昨年の大きな話題と言えばこれでしょう。倫理問題は国民的にも議論しなければならない話題ですが、盛り上がらないですね。ただ、日本としての支援がすばやく実現できたことは評価しています


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不明(2007年7月22日 付)

記事:

遺伝子組み換え原料を「不使用」と表示した加工食品のうち、約半数は微量に同原料を含んでいることが11日、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(さいたま市)の調査で分かった。生産や出荷時に誤って混入するケースが多い。原料全体の5%未満なら表示の義務付けはないが、専門家は「欧州より基準が緩く、消費者の誤解を招く恐れがある」と指摘している。

調査は日本農林規格(JAS)法で遺伝子組み換え表示の対象にしている大豆やトウモロコシを使った豆腐やみそ、ポップコーンなどの加工食品のうち「不使用」と表示していた378品目を対象に2005年4月から昨年3月にかけて実施。1品目につき3点ずつ用意した試料をDNA検査した結果をこのほどまとめた。

コメント:

基準も正確性も問題ありな気がします。


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