理系系ニュースで「海外」と一致するもの

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Yomiuri Online(2008年1月15日 付)

記事:

海外へ派遣された日本人研究者と、海外から来日した外国人研究者の総数が、それぞれ過去最高を記録し、国際的な研究交流が進んでいることが、文部科学省がまとめた最新の調査結果から明らかになった。

2005年4月~06年3月に、計855の国公私立大や試験研究機関が、海外に派遣したり、海外から受け入れた研究者の数を書面で調査。765機関(89・5%)から回答があった。

その結果、派遣した研究者の総数は13万7251人で、前回調査より1万2130人増(9・7%増)だった。受け入れた研究者は3万4939人と、前回から3567人増(11・4%増)。いずれも延べ人数で過去最高となった。

派遣先で最も多いのは、例年通りアジアで、以下、欧州、北米の順。6番目のアフリカへの派遣数の伸びが高く、前年度比35・9%増の1639人だった。また受け入れた外国人研究者の所属先は、多い順でアジア、欧州、北米だった。

同省では「特に派遣、受け入れ期間が1か月未満のケースが増えている。国際間で共同研究が進み、チーム内の研究者が短期間で盛んに行き来しているとみられる」と話している。

コメント:

国際基準で研究者もやっていかなければならないですね。


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南日本新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

鹿児島人工衛星開発部会が製作した衛星の試作機=鹿児島市川田町 「鹿児島人工衛星開発部会」(部会長・西尾正則鹿児島大学理学部教授)が開発している鹿児島人工衛星(KSAT)の試作機が、このほど完成した。2009年春、海外からの打ち上げを目指す。

試作機は鹿児島市川田町の金型工場「東郷」で組み立て。一辺10センチのサイコロ型本体に、太陽電池パネル4枚とカメラ付き姿勢安定ブームを装備。1月から約2カ月間、振動試験や熱環境試験を行い、3月末に実際に打ち上げるフライトモデルが完成する。

KSATは、衛星が発した電波を複数の地上アンテナで受信し、大気中の水蒸気分布を調べ集中豪雨をもたらす雨雲の発生を予測する。

宇宙航空研究開発機構は06年度、08年夏に種子島からH2Aロケットで打ち上げる温室効果ガス観測技術衛星に相乗りさせる小型衛星を民間から募集。KSATは同時期の打ち上げを希望する13件の候補リストに登録されたが、07年5月の最終選考で落選した。

打ち上げるロケットが未定のまま開発は継続。現在、09年4-6月ごろ、ほかの民間小型衛星と共同で、海外のロケットに搭載する方向で調整している。海外のロケットを利用する場合、打ち上げ費用が数百万円かかるため、今後は資金の調達が課題となる。

鹿児島人工衛星開発部会は、鹿児島大学の研究者や学生、県内中小企業の技術者らでつくる産学官連携グループで05年10月設立。

西尾部会長は「非常に満足な出来栄え。開発成果が形となり、打ち上げに一歩近づいた」と話した。

コメント:

小型衛星は日本が海外と戦える数少ない航空宇宙の分野ですね


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Sankei Web(2007年7月17日 付)

記事:

中国の大学界で最高峰の北京大学数学科学学院。17歳の1年生、甘文穎が国際数学オリンピック(IMO)大会で金メダルを獲得したのは昨年7月の大会だ。

「金メダルはほとんど中国からの参加者が取っている。取れなきゃメンツがないよ」。甘の自信は、国家のシステムで特訓を重ねてきたことに裏打ちされていた。金メダルへの道は湖北省・武漢の公立高校で始まった。父親は県政府職員。甘は小学生時代、「勉強は嫌いでも数学はできた。ほとんど満点に近かった」。父親は才能を見抜いた。数学オリンピックの新聞記事を読み、甘を湖北省で「数学ナンバーワン」と呼ばれる「武鋼3中」(高校)に入学させる。

中国では10月に約16万人の高校生が全国高中数学大会(試験)に参加する。国立の中国数学会は上位約150人を選抜した上、翌年1月の中国数学オリンピック(CMO)テストに参加させる。その大部分は大学に無試験入学できる資格を得るほどの英才だ。

1週間の「数学キャンプ」で25人に絞られ、4月には特訓班「国家集訓隊」へ。ここで2週間に6回のテストを重ね、IMOへのメンバー6人が最終的に決まる。代表6人は97年以降のほとんどのIMO大会で、4人以上が金メダルという驚くべき成績を残し、国別総合得点順位もほぼ連覇している。90年から参加の日本は過去10年間、昨年の7位が最高だ。

北京数学学校の趙●(●=木へんに貞)名誉校長は「数学は科学技術だけでなく、人類や文化に及ぼす影響も大きい。数学の人材が広がることで中国の発展に希望が持てる」と強調する。

確かに、徹底した中国の数学エリート教育は、理科系人材の創出につながっている。中国は理科系人材を育成することで、世界の科学技術をリードしたいと考えている。特に力を入れている分野の一つが、ソフトウエアだ。日欧米の大学や企業に大量の人材を出して勉強させているほか、中国に海外の有名大学や大手企業の研究所を誘致して、技術獲得と技能アップに余念がない。

甘も将来、米マサチューセッツ工科大で博士課程に進みたいとのビジョンを描く。一方、日本では若い世代の理科離れが深刻さを増している。(野口東秀)


ソフト開発まで外注

20年前なら、日本の数学者は国際数学オリンピック(IMO)をほとんど気にもしなかった。短時間のうちに器用に問題を解いていく技術を、真の数学の能力と取り違えると、本物の数学者を育てるためにはかえって有害であるからだ。

だが、今の日本では状況が変わった。「数学への関心を増すという観点から、IMOは有益と言わざるを得ないのではないでしょうか」北京大学や上海・復旦大学を訪れた経験を持つ北海道大学大学院准教授で数学者の本多尚文は、そう語る。数学そのものを構築していく本格的な最先端の研究分野で比べると、日本の数学は中国の数学の水準を上回る。しかし、日本の高校生たちの数学への意欲は薄らぐ一方である。

日本の数学者から見ると、中国の数学は実用重視に偏りがちだ。「学生の間では公式集の丸暗記に力が注がれ、その意味を考えることは二の次です。数学に対する文化がまったく異なっている」と本多は語る。「でも中国の学生たちは非常にハングリーでエネルギッシュです」中国の大学では、収入増と結びつきやすい理系の人気が高い。


中国が重視しているのがソフトウエア開発だ。欧米も10年以上前から、注目している。米IBMは1995年に中国研究センターを設立。2002年7月には、北京大学や精華大学などの主要6大学の優秀な学生に対して「天才孵化(ふか)計画」(Extreme Blue)をスタートさせた。学生を選抜しての英才教育だ。IT人材育成を目的とした中国各地のソフトウエア学院に資金を提供して関係強化を図っている。

これに対し、日本の若い人たちの理科離れは著しい。慢性的にIT人材が不足するとともに、大学での工学部人気が大きく落ち込んでいる。目的意識を持った学生が集まらない。1995年に約57万人いた志願者が2005年には約33万人に減っている。就職でもIT業界への人気が低下している。今の日本の若い世代には「新3K」として敬遠されるのだ。きつい・厳しい・帰れない-のKである。結婚できないのKとされることもある。

その結果、日本の企業は、インドや中国などの企業へソフト開発委託を加速させている。このままでは日本の自動車や家電製品を支えるソフトウエアの多くが中国やインドで開発されかねない。

現在、日本のソフトウエアの輸出入状況は、圧倒的に輸入超過で、輸出1に輸入10の比率だ。 当初は、安い労働力を武器にプログラミングの請負だけだったが、日本のIT人材の不足から、徐々にソフトの設計部分の開発をも発注することになり、中国にその工程をこなせる人材が多くなっている。

現代は自動車、家電、飛行機などにとどまらず、企業の財務・生産管理に至るまでコンピューターソフトによって制御されるシステム社会だ。IT産業がグローバル競争の要である限り、IT人材の育成が国際競争力の鍵を握る。

NTTデータの山下徹社長は「日本は技術立国をめざしてきたのに、それさえ危うくなっている。海外へのアウトソーシング(外注)によって技術だけでなく、これからの産業の根幹となる重要なソフトウエア開発を外国に委ねてしまう」と警鐘を鳴らす。そこに日本の真の脅威が内包されている。

コメント:

記事通りとしたら、国家として危機意識をもたないとだめですね。


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プレスリリース(2006年11月20日 付)

記事:

日本経済成長の原動力となるイノベーション創出へ向け、産学官のトップが講演や意見交換を行うシンポジウム「第6回産学官連携サミット」(内閣府や日本学術会議など主催)が11月20日、東京都千代田区の赤坂プリンスホテルであった。シンポジウムでは、元スタンフォード大学副学長のウィリアム・ミラー氏や日本経団連副会長の庄山悦彦氏による講演のほか、ベンチャーキャピタル社長らが参加したパネルディスカッションが行われた。

内閣府特命担当大臣(科学技術政策・イノベーション)の高市早苗氏による基調講演の後、ミラー氏が「海外のイノベーション政策」と題し、スタンフォード大学の産学連携活動などに関する特別講演を行った。同大学の技術移転機関(TLO)は1970年、米国では初めての学内移転機関として設立。1969~1980年に400万ドルだった同大学のライセンス収入は1991~2003年には5億5000万ドルにまで急増したが、現在のライセンス収入の相当部分が初期の発明によるもので、7つの発明で約7割の収入を稼いでいる。同氏は、技術移転は長い時間をかけてやっと収入が得られるものだと指摘、学術的な研究と産業界との協力のバランスが重要であり、同大学では人事において学術的な寄与のみを基準にしていると説明した。また、シリコンバレーとの協力体制としては、明確なビジョンを持つベンチャー企業を同大学内の工業団地に誘致しているほか、会社員らがパートタイムで学べるさまざまな教育プログラムを同大学が行っており、こうしたプログラムを通じてさまざまなベンチャー企業がスピンアウトして起業している。ミラー氏は、シリコンバレーの産学連携で「グローバル・リンケージ」が躍進の鍵となっていると話し、多国籍の研究者らが母国と密接な関係を維持することが、企業の成長にも大きく役立つと指摘した。

続いて庄山氏が「イノベーションの加速に向けて」と題し講演。同氏は、イノベーションを加速するためには、科学と技術、実社会との共鳴を促進し、イノベーションを支える人材を育成する「ボトムアップ・アプローチ」と、戦略重点科学技術をベースにしたイノベーションを推進する「トップダウン・アプローチ」があると述べた。ボトムアップ・アプローチでは、真理の探究と実社会の発想が融合する場を設定することが重要であり、その例として、東北大学と日立製作所の「垂直磁気記録技術」における技術交流を紹介。イノベーションを支える人材の育成のために、複数の領域で専門性を持つ「π型人間」が必要であると指摘し、インターンシップの制度的拡充などが必要であると述べた。「トップダウン・アプローチ」においては、研究開発と知的財産・国際標準化の一体的取り組みや、政府部門による新技術の活用が有効であると述べた。

パネルディスカッションには、内閣特別顧問の黒川清氏をモデレーターに、東京大学総長の小宮山宏氏、静岡県知事の石川嘉延氏、元インテル会長でモバイル・インターネットキャピタル社長の西岡郁夫氏ら5人のパネリストが参加。地域資源を活用した産学連携の在り方や、技術系ベンチャー育成などをテーマに、活発な意見が交わされた。

コメント:

お互いの利害関係は一致するはずです。積極的に交流することが意味ある協力につながる気がします


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