理系系ニュースで「実験」と一致するもの

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Yomiuri ONLINE(2008年3月 7日 付)

記事:

 川崎市立東小倉小学校の理科授業で先月、液体窒素を使った実験が行われ、児童の目の前で氷点下196度の世界が繰り広げられた。同市青少年科学館(多摩区)とタイアップした授業。学習指導要領では範囲外の超低温だが、理科離れが叫ばれる中、2009年度から導入予定の新学習指導要領で、実験が重視されるのを先取りした形。同校では「子どもたちの関心を引きつけるためのきっかけにしたい」と今後も斬新な実験を登場させる計画だ。(住友堅一)

 液体窒素は2月22日、元中学理科教諭で同科学館の成川秀幸指導主事が、同小2階の理科室に持ち込んだ。同科学館は04年度から、成川さんら教諭OBらを市内小学校などに派遣し、児童の興味関心を引きつける実験を出前授業している。

 成川さんは、4年2組の児童27人を前に、液体窒素を入れたガラス容器にカーネーションの花を入れて凍らせ、手で握ってバラバラにしたり、豆電球につないだ電池を入れて点灯しなくなる様子を見せたりし、「時限爆弾を凍らせれば電池が動かなくなる」と、液体窒素の性質を説明した。

 一番の見せ場はドライアイスの実験。成川さんがビニールの傘袋にスプレー缶の二酸化炭素を吹き込み、白く曇った袋を液体窒素の中に入れると、袋の底にドライアイスの白い粉末がたまった。さらに、この粉末を空のフィルムケースに入れ、フタを閉めると、数秒後、元通りに気化して、「ポン」と大きな音とともにフタが飛んだ。

 「フィルムケースは簡単にフタが外れるが、ペットボトルなど密閉容器にドライアイスを入れると爆発する」と注意を与えた。

 実感と説得力をもって児童に科学を理解させ、理科好きにさせようと随所に工夫が凝らされている。

 阿部厚教頭は「学習指導要領の範囲内では、実験内容は水蒸気から水、氷へと変化するマイナス10度程度までで、子供には地味。液体窒素は凍傷などの危険があり、通常の授業では使えないが、驚きや実感を伴って子供が理解できる効果は高い」と話す。

 理科教育の現場では、「ゆとり教育」の下で、授業時間数が減り、実験が減ったことへの危機感がある。09年度から実施予定の改定学習指導要領では、実験や自然観察が見直され、それらの充実が盛り込まれた。

 ただ、全教科を1人の教諭が教える小学校では、実験に苦手意識を持つ教諭も多く、アイデアや実験器材も不足がち。県教委では「新学習指導要領の導入を前に、県内でも実験に対する先生の意識は高まっている」としており、児童の関心を高め、教諭にとっても勉強になる外部の研究機関や企業などからの講師派遣を積極的に活用するよう呼びかけている。

 同小は、川崎市が05年度から「理数大好きモデル地域」として選んだ市内8小学校の一つ。同市総合教育センターの上杉岳啓指導主事は「最先端のハイテク製品に囲まれた現代っ子は、かつての電池と豆電球だけの実験では満足しない」と工夫の必要性を強調する。

 同市立の全115校では新年度、東京電力など民間企業の研究者を各1回、特別講師として招き、実験などを指導してもらう特別講師派遣事業を開始する。

コメント:

実験はやっぱり楽しいです。教諭OBの話は興味深いですね


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神戸新聞(2008年2月15日 付)

記事:

 さまざまな組織に成長できる万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、マウスの肝臓と胃粘膜の細胞からつくることに京都大の山中伸弥教授らが成功し、14日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。

 iPS細胞の作製には、発がん性が否定できない特殊なウイルスを使うが、肝臓や胃からできたiPS細胞は、皮膚由来のiPS細胞よりがん化の危険が低いことが判明。細胞の種類や手法の工夫によってこのウイルスを使わない道も可能になりそうで、山中教授は「臨床応用に向けて前進した」と話している。

 山中教授らは、これまで人やマウスの皮膚から作製に成功。今回は肝臓や胃粘膜の細胞に4種類の遺伝子をウイルスで組み込み、iPS細胞をつくった。

 これらは皮膚由来のiPS細胞と比べると、ウイルスが細胞の染色体に入り込む個所が少なかった。またiPS細胞をマウスの受精卵に混ぜて成長させる実験で、皮膚由来のものは約4割に腫瘍ができたが、肝臓と胃のiPS細胞ではほとんどできなかった。

コメント:

ますますiPS細胞の実用化が近づいていますね


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くまにち.コム(2008年2月14日 付)

記事:

 地球内部の高温高圧状態を再現した実験で、マントルに含まれる水分が従来の想定よりはるかに少ないとの分析結果を、岡山大地球物質科学研究センター(鳥取県)の芳野極研究員らがまとめ、17日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 含まれる水が少ないとマントルの粘性が高まって動きにくくなるため、マントル対流の仕組みを見直す必要も出てくる。芳野研究員は「従来の考え方と異なり、浅い部分に水があっても、深い所はカラカラに乾いているのでは」としている。

 芳野研究員らは、深さ410-660キロにあって流動するマントル遷移層に着目。含まれる2種類の鉱物を高温高圧にし、含水量を変えながら電気抵抗を計測したところ、含水量が多いと磁気嵐などを利用した観測値と一致せず、水をほとんど含まない場合は一致することを突き止めた。

 これまではプレートの沈み込みに伴い、海水などが地中深くまで引き込まれると考えられていた。再現実験とはいえ常識を覆す結果で、今後議論を呼びそうだ。

コメント:

科学って測定技術が変わっていくと今までの既存の概念が根本から覆されたりして面白いですよね。


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産経ニュース(2008年2月13日 付)

記事:

中川翔子の明るさで、カタい科学の話もノリノリに 科学番組というと、難しい先端研究を伝えるために映像やイラストをふんだんに使って...と、テレビの独壇場と思いがち。ところが、異色の科学系ラジオ番組が登場、若者を中心に支持を獲得しつつある。パーソナリティーには大のSF好きで知られるオタク系アイドル、中川翔子を起用。理系学生に夢や悩みを語ってもらうなど、ラジオならではの趣向が人気の秘密だ。(草下健夫)

 この番組はニッポン放送の「中川翔子のG(ギザ)サイエンス!」(毎週土曜後9・30)。京セラがスポンサーとなり、科学雑誌「日経サイエンス」が研究室探しなどに協力している。

 番組では中川が「ギザ、スゴス」などおなじみの"ギザ語"を連発し、とかくカタくなりがちな科学ネタを元気いっぱいに明るく紹介。ゲストには毎回、大学の研究室から学生数人を招いている。

 ポイントは、科学系番組につきものの大学教授を登場させないところ。「格式張らず学生生活も語ってくれるので、共感を得やすいようだ」と同局の節丸雅矛(せつまるまさむ)編成部副部長は説明する。

 テレビとは異なり、実験風景や研究の様子は話でしか伝わらないが、節丸副部長は「むしろそこがミソ。絵がないから、学生の姿にスポットが当てられる」と強調する。

 電波が届かなくても自動で動く水中ロボットの研究を紹介した放送では、東大生3人が出演。「自分が作ったロボットに写真を撮らせ、海底版グーグルアースを完成させたい」と、口々に研究の苦労や夢を語った。

 番組は昨年10月にスタート以来、若者を中心にメールやはがきで続々と反響が届いている。「こうした反響を今後、番組内容にも反映していきたい」と節丸副部長は話している。

 テレビでは今、科学番組が大流行。タレントの安めぐみが登場するNHK教育「サイエンスZERO」、ビートたけし出演のフジテレビ「たけしのコマネチ大学数学科」、ローカル局でもテレビ神奈川「パペットマペットのサイエンスでしょ!?」...。いずれも芸能人を起用することで科学の垣根を低くしようと奮闘している。

 ところが、日本人の科学離れは深刻化する一方。経済協力開発機構(OECD)が一昨年実施した調査では、日本の高校1年生は平成15年の前回調査に比べ、数学的活用力が調査国中6位から10位に、科学的活用力も2位から6位に低下。科学への関心も日本はおおむね最低レベルにとどまった。ラジオ界の異色番組が科学離れに歯止めをかけるか-。

コメント:

一度聞いてみたいもんです。


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室蘭民報(2008年2月11日 付)

記事:

おもしろ実験室は、子供たちの理科好きの心を引き出そう―と同社が平成7年に札幌で開設。9年から全道各地で教室を開催しており、白老で実施されるのは初めて。

同社社員で実験室講師を務める岡豊さんの指導の下、子供たちは豆電球と乾電池を使って明るさを調べたほか、はんだごてを握って電子オルガン作りにチャレンジ。回路図を見ながらリード線やトランジスタをはんだ付けし、電流の流れと音の出る仕組みを学んでいた。

コメント:

身近なものの仕組みの一端を感じることが出来ることは楽しいですよね。


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AFP BB News(2008年2月 5日 付)

記事:

遺伝子操作により風邪を引きやすいマウスの作製に成功したと、ロンドン大学インペリアル・カレッジ(Imperial College in London)の研究チームが4日の英医学誌ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)に発表した。せき、くしゃみ、ぜんそくなどの治療法開発への活用が期待される。

セバスチャン・ジョンストン(Sebastian Johnston)教授率いる研究チームは、通常はヒトやチンパンジーにしか感染しない大半の風邪の原因となる「ライノウイルス(Rhinoviruses)」に感染しやすいマウスを遺伝子操作によって作ることに成功した。これは、風邪のほか、ぜんそくや気管支炎など呼吸器官系の症状の新たな治療法の試験がしやすくなり、治療法の発見が早まる可能性を意味する。

ライノウイルスは50年前に発見されたが、マウスへの実験を行わない研究は難しいことが分かっている。1946年に英国でCommon Cold Unitが風邪の治療法を発見するため人体への実験を始めたが、問題解決に至らず1989年に解散した。

風邪の大半は細胞表面にある受容体分子にライノウイルスが付着したのを機に発症する。マウスの受容体分子はヒトのものとは若干異なるため、ライノウイルスは付着することはできない。今回、研究チームはウイルスを受容できるようにマウスの受容体分子をヒトのものに近いように作り替えた。

コメント:

マウスにとっては豪い迷惑なことですが、この技術が一般的に広まれば、治療薬の研究は進むことでしょう。


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YOMIURI ONLINE(2008年2月 5日 付)

記事:

 東大教養学部の学生が先月28日、駒場キャンパス(東京都目黒区)で、舞台で理科実験を行う高校生向けのサイエンスショーに挑戦した。科学を社会に広めるには、どのような表現や工夫が必要かを、実体験で学ぶ授業だ。

 テーマは「空気は見えるか」。「心を動かす表現法―科学メディア・理科実験の研究」のゼミに参加する1、2年生中心の10人が、教授役、実験の指導を受ける研究員役、高校生役に分かれ、空気や気圧の仕組みを学んでいく形で進んだ。

 「大きな風船と小さな風船を前に投げると、どちらが遠くに届くのか」。教授役の学生が客席に問いかける。観客の多くは「小さい方」と予想。白衣を着た研究員役の学生が実際に風船を投げると、大きい風船の方が遠くへ届いた。

 「風船の届く距離は、空気抵抗以外の要因も関係するようだ」。空気を液体窒素で冷やして液体にしたり、空気の詰まったペットボトルをてんびんでつるしたりする実験で、空気に重さがあることを実感させ、大きな風船ほど空気の重さで遠くへ飛ぶ仕組みを説明する。約1時間のショーで、15の実験が披露された。

 ゼミを指導するのは科学教育の普及に努めるNPO法人「ガリレオ工房」理事長の滝川洋二氏と、林衛・東大客員准教授。滝川氏は2年前、高校教員から東大教養学部教養教育開発機構の客員教授に転身し、科学への興味を持たせる教育を研究している。

 サイエンスショーは、学生たちが半年間の研究の集大成として自ら提案した。

 子供たちの前で多くの実験を行ってきた滝川教授は「学生が舞台をやるのは大変だと予想していた」が、学生達は滝川教授の実験をベースにしつつ、高校生の興味を引くような脚本作りや、高校生レベルで必要な知識、実験の進行などを研究した。舞台から遠い席でも空気の重さの違いがわかるてんびんを作る作業に、学生1人が8時間を費やすなど、授業の時間以外でも実験装置や表現の工夫を重ねた。

 ショーの終盤では環境問題を取り上げ、大気中に二酸化炭素が増えて地球が温暖化していく仕組みを解説。大気中の二酸化炭素の濃度を「高度1万メートルまでの大気で地表に二酸化炭素がたまると、3・8メートルの高さになる」などの表現も独自に編み出した。

 滝川教授は「言葉をわかりやすくするだけでは不十分で、相手が『理解したい』と思うような疑問を提示することが大事。人間の知識や認識が、外からの情報でどう変わっていくのかを知ることも必要だ。学生たちは科学を伝える難しさを実感したと思う」と話す。

 また、「科学技術の安全性など市民が考えるべき問題も増えている。専門家と市民の橋渡しをする人材の育成が必要で、東大の教養学部が取り組む意義は大きい」としている。(宮崎敦)

コメント:

大学生が高校生の視点で科学の面白さを伝えるというのは非常に面白い取り組みですね。


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Yomiuri Online(2008年1月14日 付)

記事:

子供たちの理科離れが指摘されるなか、民間企業などの現場で働く専門家を講師に招き、実社会に結びつけた理科の授業をしてもらうプロジェクトが大館市内の7小学校で展開されている。経済産業省が今年度実施している「理科実験教室プロジェクト」の一環だ。先月、大館市立矢立小学校で行われた授業では、地元の研究者が、実験を通して、理科の知識が身近な暮らしにどう役立っているのかをわかりやすく示し、子供たちの理科への興味を引き出した。

(伏見公男)

矢立小に講師として招かれたのは、土壌の洗浄や産業廃棄物の処理などを研究する大館市の会社「DOWAエコシステム環境技術研究所」研究員、西川晃央さん(27)ら2人。

「水溶液の性質と働き」をテーマに、6年生18人が、マグネシウム、ニッケル、鉄、亜鉛の四つの金属をそれぞれ入れた試験管に、希塩酸の水溶液を加えて溶かす実験に取り組んだ。

マグネシウムは水溶液を入れると、あっという間に泡を出して溶けてしまい、児童たちは驚きの声を上げた。でも、ニッケルはなかなか溶けず、西川さんの指導で児童らは熱湯を入れたビーカーに試験管を浸して、溶かした。さらに鉄、亜鉛も溶かした。

次に西川さんは、鉄を溶かした水溶液を熱した後に残る黄緑色の粉を取り出し、この粉が溶ける前の鉄と同じかどうかを調べる実験をした。磁石を近づけても、くっつかない。それを児童に見せて鉄が質的に変化したことを理解させた。

最後に、金に希塩酸の水溶液を加えた。でも、それまでにやった四つの金属のように溶けない。

西川さんは「金は、腐りにくく、さびにくい。この特性があるから、携帯電話の基盤の集積回路などには、金が使われている」と説明。実際に基盤を見せた。

さらに、「王水」という水溶液を加え、金を溶かして見せた。金は貴重なため、使い古した携帯電話を集めて基盤を溶かし、金を再利用していることを教えた。

同小教務主任の椿田利之教諭(52)は「児童には知的な刺激になった。身近にある携帯電話に金が使われ、しかもリサイクルして使われている話は児童が興味を持ってくれる内容だった」と評価した。

西川さんは「予想以上に子供たちの反応が良かった」と喜んだ。同研究所の川上智所長(45)は「自分の仕事や科学的な知識を子供たちに説明することで社員が自分の仕事に自信を持ってくれれば」と話す。

大館市内の小学校で展開される「理科実験教室プロジェクト」では、大館市のNPO法人「ひととくらしとまち大館ネットワーク」が企業と小学校の仲介役になっている。

経済産業省からプロジェクトの委託先に選ばれ、約900万円の事業費を受けた。事業を進める専属スタッフを雇い、小学校側に受けてみたい授業のテーマや受講を希望する学校を募集して授業を立案。企業側には講師派遣を交渉して市内の7社に引き受けてもらった。こうした企業などから、これまでに市内の全22小学校のうち、7校に講師を派遣した。

矢立小以外にも、早口小などに「台風と天気の変化」をテーマに気象予報士を派遣し、台風が発生するしくみを説明、児童が"天気予報"をした。東館小などに「大地のつくりと変化」をテーマに土木工事などを行う会社の専門家を派遣。ボーリングした土をもとに、大地が火山灰が積もってできたのか、土砂が流れて堆積(たいせき)してできたかを児童に考えてもらった。

同ネットワークの小棚木政之事務局長(40)は「事業は今年度で終わるが、4月以降も企業と学校の仲介役として、学校から依頼を受ければ企業と交渉し授業をしてもらえるようにしたい」と話している。

コメント:

今後もこういった活動は継続して欲しいですね。


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北海道新聞(2008年1月11日 付)

記事:

楽しい実験の方法を、現役の先生に教えます-。子どもの理科離れを防ぐため、若い教師らに授業のこつを伝授しようと、道内の理科教師OBらで構成するNPO法人・北海道科学活動ネットワーク(札幌)は十一、十二の両日、「青少年のための科学の祭典・指導者研修会」を北大学術交流会館(札幌市北区北八西五)で初めて開く。

同ネットは、札幌などで子ども向けに実験や工作を体験してもらうイベントを毎年実施している。面白い実験ができる教師をさらに増やすため、実験授業の実践で全国的に有名な教師を講師として招き、初めて教師向けの研修も同時開催することにした。

研修は両日とも午前からで、子ども向け実験教室やサイエンスショーで活躍する首都圏などの教師、道立理科センターの主任研究員らが講義する。

実際に実験をしたり授業の写真を使うなど、子どもの関心を集める理科実験のこつを伝える。講演者によるパネルディスカッションも開く。

午後は実際に実験を紹介しながら教師の腕も磨くため、会場を子どもにも開放する。「シャボン玉遊び」「簡単花火」など二十五のブースを用意し、教師や教師OBらがお互いに技術を伝えあいながら、磁石やせっけんなど身近な材料で理科の面白さを伝える。

いずれも無料。研修は十一日が午前十時半から正午、十二日は午前九時半から午後零時半まで。子ども向けの実験紹介は両日とも午後一時半から午後四時。問い合わせは同ネット(電)011・578・3500へ。

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小学校の先生にとって理科の実験を考えるのは大変なので、こういった取り組みはありがたいですね。


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福井新聞(2008年1月10日 付)

記事:

全国の中高校生を対象にした科学研究コンテスト「日本学生科学賞」中学の部で、福井市社中3年、仲地唯佳君が最高賞の内閣総理大臣賞に輝き9日、県庁を訪れ西川知事に受賞報告した。「将来は科学方面の仕事に就きたい」と話した。

仲地君は、地震の犠牲者を減らしたいとの思いから、地震時の建物の揺れの軽減について研究。高さや柱の太さ、重さ、素材を変えた7種類の建物模型を制作し、これらに振り子や鉄球、電車振り子、バネ、水槽の5種類の免震装置を設置、振動を与えながらそれぞれの効果を分析した。

実験の結果、建物と装置はそれぞれ固有の周期で揺れ、それらの周期が同様の場合に振動に対して互いに逆向きの動きが現れ、揺れが軽減されることを確認した。

中学1年生の時から地震の揺れをテーマに研究を進めている仲地君は「今後はコンピューターなども使い、さらに追究していきたい」と意欲的に語った。科学部で指導に当たった宇野秀夫教諭は「意欲的に取り組み、目的意識も旺盛だった」と快挙を喜んでいた。

同科学賞は、優秀な科学者の育成を目的に1957年に創設された。

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中学生ながらこういった実験から一定の結論を導き出せるのはすごいですね。同時に指導している教官にも頭が下がります


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Nikkei net(2008年1月10日 付)

記事:

厚生労働省は、再生医療の切り札として期待されている新型万能細胞(iPS細胞)の臨床研究を促すため、来年度に研究機関の実験施設の整備を支援する。新型万能細胞は昨年秋に京都大学の研究者が開発の成功を発表したばかりだが、世界中で研究競争が激しくなっている。日本発の研究成果の優位性を保つためにも、医療への応用研究を加速させる必要があると判断した。

10日に開催される政府の総合科学技術会議の会合で研究支援策として説明する。

コメント:

今回の対応は非常に早いので好感持てます


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IBC岩手放送(2008年1月10日 付)

記事:

子どもたちの理科離れを防ごうと、宮古市が独自にプログラムを組んだ体験教室が行なわれました。「ニュートン・スクール」と名付けられた実験教室は子供たちに理科に興味を持ってもらおうと宮古市の教育委員会が企画したもので、きょうは市内22の小学校からおよそ250人が参加しました。
子どもたちは小型の手動発電機を回してラジオを鳴らし、エネルギーの勉強をしたり、化学反応で温かくなるカイロを作ったり、9つのブースで理科の不思議と楽しさを実感しました。参加した子どもたちは、実験を通して身近なところにたくさんの「理科の考え方」が応用されている事を知ったようでした。

コメント:

理科の考え方が応用されているのか身の回りの事象が汎化されて理科という科目になっているのかは分かりませんが、いずれにしてもそうやって理科に興味を持って欲しいですね


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Yomiuri Online(2008年1月 9日 付)

記事:

クローンマウス誕生に成功 近大生物理工学部4年森田さん



三谷准教授(左)と安斎講師(右)の指導を受け、実験に取り組む森田さん(海南市の近畿大先端技術総合研究所で) 近畿大先端技術総合研究所(海南市南赤坂)で、同大生物理工学部4年の森田真裕さん(22)が、クローンマウス=写真=の誕生に成功した。ベテラン研究者でも成功率が2%程度といわれるほど難易度が高く、同研究所では「学部生の成功例は聞いたことがない。史上最年少では」と驚いている。

 クローンマウスは、核を取り除いた卵子に別の個体の核を移植してクローン胚を作り、代理母のマウスの子宮に着床させて誕生させる。1997年に第1号が誕生したが、着床段階での失敗が多く、現在も成功率は低い。

 森田さんは2006年9月、クローン技術を研究する三谷匡(たすく)准教授(生殖生理学)の研究室に入った。「基礎の基礎も分からない状態」から毎日、午前7時から午後9時ごろまで研究に打ち込み、知識や技術を習得した。

 核を移植する時期の決定や培養時の温度管理などをすべて独力で行い、昨年6月にクローンマウスの誕生に成功。「最初はだめで当たり前と思っていたので、(誕生した時は)大騒ぎしてしまいました」と振り返る。マウスは「風鈴(すず)」と名付け、同9月には自然交配で出産もした。

 三谷准教授は「奇跡には違いないが、それも確かな技術があったからこそ」と感心。指導した安斎政幸講師も「さらに研究を進めて、着床率改善の糸口を見つけてほしい」と期待する。

 森田さんは今春、製薬会社へ就職することが内定している。クローン研究から一度は離れるが、「今回の成功は自信になった。将来は、ここで学んだ技術を生かしたい」と話している。

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技術が昔に比べて一般化してきたということは、クローンに対する法的な整備や国民の中での合意形成を急いで行う必要があります。


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Yomiuri Online(2008年1月 8日 付)

記事:

横浜市教育委員会は、独立行政法人・理化学研究所横浜研究所(鶴見区)と、2009年4月に開校する「横浜サイエンスフロンティア高校」(同)での教育を支援してもらう協定を結んだ。理研と高校との協定は初めて。市教委では、生徒が最先端の研究に触れ、未来の科学技術の担い手に育ってほしいとしている。

理研は、自然科学分野で世界トップレベルの研究機関。横浜研究所は、遺伝子やヒトの免疫機能など生命科学分野を担当している。

横浜サイエンスフロンティア高は、全クラス理数科に特化し、研究者や技術者など科学分野のエキスパート養成を目指す。すでに東京、慶応など8大学や東京電力、東京ガスなど24企業と協力関係を結んでいる。

協定では、理研から一線の研究者を招いて講義を受けたり、生徒が施設を訪れ、研究を見学したり、実験を体験したりする。同校の教員も理研で研修を受け、高度な科学知識に触れてもらうことも検討している。

市教委は「最先端の研究現場に接することで、将来の道をひらくきっかけにしてほしい」と期待。理研も、「生徒にわかりやすく説明するよう努めたい。若者の理科離れが言われており、その経験を自然科学の魅力を伝える広報活動に生かしたい」と話している。

コメント:

横浜サイエンスフロンティア高校っていう高校が出来るんですね。初耳でした。


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公明新聞(2008年1月 8日 付)

記事:

"科学技術立国・日本"から技術革新の波を世界に波及していくことが期待される中、世界最高性能の次世代スーパーコンピューターを2010年までに稼働させる国家プロジェクトが注目を集めている。07年3月には、開発主体の独立行政法人・理化学研究所(理研)が、「スーパーコンピューター共用施設」の建設地を神戸市中央区のポートアイランドに決定し、同市が推進する医療産業都市構想や地域企業との連携も始まろうとしている。ここでは、スーパーコンピューターが可能にする科学技術とともに、建設地・神戸市の取り組みを紹介する。

スーパーコンピューターとは、膨大な計算を素早く行うことができる高性能コンピューターのことで、その高速計算による「シミュレーション(模擬実験)」は、実際の実験や理論上の検証と並び、科学技術の発展に必要不可欠な手法となっている。

シミュレーションは再現が困難だったり、時間がかかりすぎたりする実現不可能な実験・観測をコンピューター上で模擬的に行う実験。理研は、「人間に見ることができないものを認識できるようにすること」と説明している。例えば"物が燃える"という現象は何千分の一秒という短い時間の中で複雑な化学反応を繰り返しているが、その時間を引き延ばし検証することで、より効率的な燃焼の仕方を研究し、自動車やロケットのエンジンの改良・開発に応用することができる。逆に、地球温暖化の動向や天体の動きなど長い時間をかけて変化する現象は、時間を縮め、予測することも可能となる。

シミュレーションは、より多くの情報をより速く処理できるほど精度が上がるため、スーパーコンピューターは計算速度の高速化を求めて進歩してきた。

今回、開発が進められている次世代スーパーコンピューターは、「1秒間に1京回(1兆の1万倍)の計算速度が目標」(理研)。これは、02年から04年に世界最速を誇った日本を代表するスーパーコンピューター「地球シミュレータ」の約250倍。また現在、世界一の米国製コンピューターの約30倍の速さで、世界一の性能となる見込みだ。

次世代スーパーコンピューターが完成すれば、情報量が多すぎて突き詰めることができなかった分野で、これまでの限界を突き破る科学技術の革新が期待される。特に、今回のプロジェクトでは、ライフサイエンス(生命科学)とナノテクノロジー(原子レベルでの制御技術)の発展に貢献することが大きな目標とされている。

理研によると、ライフサイエンスの分野では、人間の体全体のシミュレーションを目指すという。これは、人間を構成する分子、細胞、臓器などそれぞれの階層にまたがって総合的に人間の生命現象を捉えようとするもので、新薬の発明や医療診断などの技術革新への期待が高まっている。体中の血管と血流をシミュレーションすることで動脈硬化の発症を予測することや体質情報から個人ごとに合った薬の開発なども実現可能という。

また、ナノテクノロジーの分野では、自然科学研究機構分子科学研究所(愛知県岡崎市)が中心となり、原子一つ一つをシミュレーションし、新エネルギーの創出などを研究する。原油価格高騰の中、稲わらや建築廃材からエタノールを作るといった新技術の開発も研究の視野に入っている。

そのほかにも、新しい半導体の開発や自動車の衝突実験、原子力施設の耐震設計、台風進路や集中豪雨予測の高精度化など多彩な分野の開拓が見込まれている。

新薬、新エネルギー、半導体開発など 多彩な分野で利活用

神戸が研究・教育の一大拠点に

こうしたスーパーコンピューターの機能を十分に発揮していくために学術機関との連携強化の必要性が叫ばれる中、甲南大学フロンティアサイエンス学部(仮称)や神戸大学などが相次いでポートアイランドへの進出を決定。神戸市は、次世代スーパーコンピューター共用施設を中心とした研究・教育の一大拠点へと発展する機運が高まっている。

一方、神戸市では1998年からポートアイランドを中心に医療産業都市構想を推進している。同構想の中核施設として基礎から臨床応用までの橋渡し研究を行う先端医療センターをはじめ、神戸バイオメディカル創造センターなどが設置されており、高度な医療技術の研究・開発拠点が整備されている。構想発表から現在までに、90社以上の再生医療の研究やがんの治療法の開発を行う企業がポートアイランドに進出。今後も、製薬会社や医療機器メーカーなどの誘致が進むことが予想されている。

神戸市は、次世代スーパーコンピューターの活用で、医療産業都市構想のさらなる発展へ意欲を示しており、市医療産業都市構想推進室の三木孝室長は「ライフサイエンスで注目されるようになったが、今後、神戸が世界的な医療都市に発展できるかが焦点」と話している。また、地域の中小企業などの産業利用を促進するため、神戸市は昨年11月、次世代スーパーコンピューターの活用に関する技術相談の実施やシミュレーション研究の成果について周知を進める「財団法人計算科学振興財団」(仮称)の設立構想を発表。地域の「スーパーコンピューターとは何か。中小企業にまでメリットがあるのか」といった声に対応し、ニーズの掘り起こしを進めていく。


公明党の赤羽一嘉衆院議員と市議会公明党(米田和哲幹事長)は先月1日、理研の神戸研究所(中央区)を訪れ、次世代スーパーコンピューターの利活用や再生医療研究などについて、関係者から説明を受けた。

赤羽氏は、神戸商工会議所から要望を受け文部科学省と誘致に向け交渉してきた。また、市議会公明党は「地元経済への普及についても、超高性能のシステムそのものを使いこなすにしても人材の発掘・育成が急務」と訴えてきており、今後もこれらの課題の克服に全力を挙げることにしている。

赤羽氏は「知の一大拠点となるポートアイランドから発信される先端の情報や技術が、神戸の発展につながるよう尽力したい」と話していた。

コメント:

国家レベルでスーパーコンピューターの競争は激化していますが、地方レベルでのこういった活動への参画はありがたいですね。ただし、同時に地域へどう還元していくかが課題だと思います。


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タウンニュース(2008年1月 5日 付)

記事:

「第24回全国小・中学生作品コンクール」の理科部門で茅ヶ崎市立中島中学校(池田雅之校長)の山本祥貴君(1年)が全国中学校理科教育研究会会長賞を受賞した。これは文部科学大臣奨励賞、子どもの文化・教育研究所理事長賞に次ぐ3番目に評価の高いもの。

「驚いたけど嬉しかった」と喜びを噛み締める山本君。はじめに「茅ヶ崎市小学校中学校創意工夫・研究作品展」の研究部門(263点)で銅賞を獲得。そして同コンクールへの選定を通過し、受賞に至った。

研究テーマは「滑りやすさと材料や表面の関係について-静止摩擦係数の測定-」。きっかけは部屋を掃除していた時。父親と机を動かしていると、上にあった物の中で、滑るものと滑らないものがあった。「なんでこうなるのか」という疑問を抱き、研究を開始した。

実験ではペットボトル、重りなどを使用。物体の表面にプラスチックやラップ、紙やすりを貼り摩擦力の大きさについてレポートをまとめた。同校の理科担当の五十嵐誠教諭は「何かに疑問を持ち、それを解明する手順がしっかりしていた」と称賛する。

理科の授業が好きな山本君。「分からないことも実験によって理解できる。今度は静電気について調べてみたい」と意欲を見せていた。

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科学って仮説検証能力が身につくというのはこういった経験からなんでしょうね。


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岡山日日新聞(2008年1月 4日 付)

記事:

理科の魅力や学ぶ楽しさを紹介しようと「岡山理科大学周辺の自然と人間の営み」が、岡山市伊島町3丁目の県立児童会館で12日まで開かれ、多くの親子連れが訪れている。 同大博物館学芸員課程を履修する学生による作品展で、外来生物「ヌートリア」、中四国の地震など8組の作品を展示している。 初日は同大の3、4年生12人が参加し、体験しながら学べる作品を約100人の子どもたちに紹介。リニアモーターカーの模型による「フレミングの左手の法則」の実験、フナやオイカワなど同大周辺の水路に生息する水生生物と水質の関係の調査結果などについて、道具やパネルで分かりやすく説明した。 父と妹と3人で訪れた大江健斗君(10)=同市伊福町3丁目=は「理科がもっと好きになった」とにっこり。 同大と同会館は昨年12月12日に子どもの理数離れを防ぎ地域活性化につなげようと、教育と研究に関する協定を締結。同展示会は、取り組みの一環で行われている。

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イメージですが、岡山理科大学はこういったことを多く実施している気がします。


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東奥日報(2008年1月 2日 付)

記事:

北海道工業大学(札幌市)が中心となって開発し、一昨年、地方大学として初めて打ち上げに成功した人工衛星「HIT-SAT(ヒット・サット)」が、一年以上を経過した現在も順調に軌道を回っている。この開発プロジェクトの中心となっているのが、本県出身で同大学准教授の工学博士・佐鳥新さん(43)。初めての衛星は十二センチ四方、重さ二・七キロと小さいが、実用化を目指す農業衛星打ち上げに向けた大きな一歩。研究から派生する「宇宙ビジネス」も大きな可能性を秘めており、全国的にも注目を集めている。

佐鳥さんは青森市の佃中学校、青森東高校から筑波大学に進み物理学を専攻、東京大学大学院で電気推進工学などを研究。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の前身・宇宙科学研究所で小惑星探査機「はやぶさ」搭載のイオンエンジン開発に携わった。一九九七年、北工大に移り、応用電子工学を教える傍ら、衛星開発プロジェクトチームを率いている。

衛星は北工大、北海道大学と民間の有志が設立した大学発のベンチャー企業「北海道衛星株式会社」が打ち上げた。一般に衛星開発は国家プロジェクトとして数百億円規模の費用がかかるが、ボランティアの協力などで約三百万円の開発費用に抑えた。

同社社長も務める佐鳥さんは「ヒット・サットは人工衛星の姿勢を制御するためのデータ収集が主目的だが、それ以前に打ち上げそのものが実験だった」と語る。三年以内に完成を目指す、実証衛星「大樹(たいき)1号」の予備実験という位置づけもある。大樹には地上から制御可能な画像センサー、高画質画像をレーザーで送信する通信機能を備え、十三センチ四方、重さ十五キロとなる見込み。最終的には五十キロ程度の衛星を目指す。

小学校教師で、理科が専門の父・毅さんの影響で幼いころから理科、特に天体に興味を持った。小学生の時に電磁誘導の実験を試みたり、高校入試の面接では「将来、UFOを飛ばしたい」と夢を語った佐鳥さん。今も「ワープ(空間移動)できる機械をつくりたい」と目を輝かせ、「小型衛星の分野で、日本は世界をリードするチャンスがある。企業を巻き込み、産学連携により北海道や青森県のように地理的に不利な条件でも産業・雇用創出が可能になる」と故郷の発展に思いをはせている。

◇資金協力を呼びかけ

佐鳥さんのグループは人工衛星の研究開発をさらに進めるため、基金を設置し本県を含めた幅広い層からの支援、協力を求めている。基金参加費(寄付金扱い)は一口一万円。問い合わせは事務局まで。メールアドレスはyamazaki@hit.ac.jp ※「@」を半角にしてください

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近いうちに秋葉原で売っている部品で衛星が飛ばせる時代が来るかもしれません。しかし民間レベルでここまでできるのはすごいですね


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AFP(2007年12月28日 付)

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今年11月、日米それぞれの研究チームが、ヒトの皮膚から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに成功したと発表した。さらに12月には別の研究チームが、鎌状赤血球貧血症を患ったマウスの皮膚から作成したiPS細胞を使った治療に成功したことを明らかにした。これらは科学者たちが長年夢見てきた大発見で、生物学の分野では「ライト兄弟の最初の飛行機」に匹敵するほどの大躍進だという。

幹細胞は体のあらゆる細胞に分化することができるため、病気の治療に大きな可能性を秘めており、損傷を受けたり病気になったりした細胞、組織、臓器の代わりに用いられることが期待されている。これまで行われてきた胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究は胎児に成長する可能性のある胚細胞を使用するため、倫理的問題が指摘されてきた。今回発見された技術では、その点が克服できる。

新たな技術の大きな利点の1つに、作成手順の単純さがある。4つの異なる遺伝子をヒトの皮膚細胞に導入することでiPS細胞が作成できるため、複雑でコストのかかるES細胞の研究と違い、通常の研究所でも作ることが可能だ。ES細胞の入手・利用は非常に難しかったため、この技術が発見されるまでは、病気がどのように進行するかを見るためには、動物か死体から取り出した臓器で研究せざるを得なかった。しかし、皮膚、組織、臓器由来のiPS細胞はシャーレで簡単に作れるため、病気の治療法を研究するプロセスとなる病気細胞の遺伝子構造の解明を容易にした。また、病気の治療に効果的な薬物を特定する化学スクリーニングへの利用も可能となり、人命を救う新薬販売までの期間を大幅に短縮することが期待される。

皮膚由来のiPS細胞の利用は、最終的には特定の患者の遺伝情報を有する幹細胞の作成を可能にし、移植された組織や臓器の拒絶反応をなくすことができるとみられている。これはすでに鎌状赤血球貧血症を患ったマウスでは成功が確認されている。また、実験につかったマウス自身の細胞を使用したことから、拒絶反応を抑制するため危険を伴う免疫抑制剤を使う必要もなかったという。

一方で、幹細胞研究の第一人者たちは、皮膚由来のiPS細胞はまだES細胞の代替にはなっておらず、今後もならないかもしれないと指摘する。ヒトの皮膚からiPS細胞を作ることに成功した研究チームの1つを率いる米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のジェームス・トマソン(James Thomson)教授は「この新しい研究はまだ始まったばかりで、われわれはこれらの細胞がどのように機能するかほとんどつかんでいない」と語る。「いまはES細胞研究を放棄する時期ではない」と述べ、ES細胞は依然、ほかの研究を評価するための「重要な基準」だと付け加えた。

今後は、皮膚由来のiPS細胞をより安全に作る研究を進めるとともに、iPS細胞が時を経ても劣化しないことを確認する必要がある。

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今年の一大ニュースでしたね


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web埼玉(2007年12月28日 付)

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科学の不思議や面白さを体験しながら学ぶ出前実験教室「エジソンのハテナ?実験室~電気エネルギーの未来」(文部科学省主催、大阪科学技術センター実施運営)が二十六日、さいたま市見沼区の市立七里小学校で行われた。七里小と東宮下小の児童ら約八十人が参加、電気や地球環境の実験を楽しんだ。

最初の科学実験では、司会のお姉さんがエジソンが発明した電球の紹介や仕組み、電気を作る方法などを説明。液体窒素で凍らせたカラーボールをかなづちで割る実験ではびっくりした児童から驚きの声が上がった。

ワークショップは、電気、発電、放射線、地球環境の四つをテーマに実験。電気のコーナーで静電気の感電を体験した児童は「ビリっとして痛かった」と言いながら友達と体感を確認し合っていた。

温暖化の仕組みを考える地球環境のコーナーでは、それぞれ空気と二酸化炭素で膨らませた二つのビニール製のボールを用意。赤外線ランプで一分ほど照らした後に温度の上昇を比べると、二酸化炭素の方が〇・三~四度高かった。

「すぐに温度が上がった。地球でも同じことが起きていることが、ちょっと怖い」。子どもたちには驚きの連続だったようだ。

出前実験教室は、楽しく科学技術を学びながら、子どもたちに原子力やエネルギー、環境問題などへの理解を深めてもらおうと文科省などが進める「放課後子ども教室推進事業」と連携し、本年度はさいたま市、川崎市、福井県など全国六地域で実施している。

「"理科離れ"の歯止めには、実験や体験を通して子どもたちの興味を引くことが大事」と、七里小学校の山岸謙治校長。大人も一緒に楽しむことも大切、と話している 。

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温暖化の実験、面白そうですね。


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北海道新聞(2007年12月27日 付)

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小学生に科学を楽しんでもらう「米村でんじろう監修 おもしろサイエンスショー」が二十五日、函館市民会館で開かれた。目の前で次々と繰り広げられるユニークな実験に、千三百人の観客が大きな拍手を送った。

国際ロータリー第2510地区(酒井正人ガバナー)の主催。米村でんじろうサイエンスプロダクション(東京)のジャイアン村上さんらが出演し、一定時間で割れてしまう「時限破裂風船」や、段ボールをたたいて空気のかたまりを打ち出す「巨大空気砲実験」など五つの実験を披露した。

このうち、ヘリウムガスが詰まったビニール袋の中に入って声の変化を体験する「声変わりハウス実験」では客席から三人が参加して「カエルの歌」を合唱。ふだんより高い声になって歌う参加者に会場から笑い声が起こっていた。

高盛小一年の柴田知ちゃんは「風船が割れる実験が楽しかった」、姉で五年生の愛さんは「空気砲実験を家でやってみたい」と、ショーを楽しんだ様子。母親の健子さん(41)は「このような機会はなかなかないので見に来て良かった」と話していた。(佐藤いく美)

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大人でも面白そうな内容ですよね。


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共同通信(2007年7月25日 付)

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全国から選抜された理科好きの中学2年生計40人が、合宿生活を送りながらノーベル賞科学者ら「スーパー先生」たちの授業を受け、さまざまな実験にも取り組む「創造性の育成塾」(NPOネットジャーナリスト協会主催)が、8月3日から11日まで、山梨県富士吉田市で開かれる。

同協会会長の有馬朗人・元文相が「理科系の英才教育には、進路が固まる前にトップクラスの研究者と触れ合うのが大事」と発案、昨年夏に第1回を開催した。2回目の今年は、ノーベル化学賞を受けた白川英樹筑波大名誉教授の授業のほか、宇宙飛行士の山崎直子さん、トヨタ自動車の張富士夫会長の講演なども予定されている。

参加者は、論文で選抜された北海道から熊本まで24都道府県の男子22人、女子18人。

主な授業は4日から9日まで連日、インターネットでライブ中継。http://netj.or.jp/juku/index.htmlで見られる

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若いうちに一流の人に会うと刺激になりますよね。


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宇部日報(2007年7月23日 付)

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子供たちに科学の大切さや楽しさを知ってもらう「夏休みジュニア科学教室」は二十二日、山口東京理科大で開講式と第一回講座があり、親子百人が講義や実験(心理テスト)を通じて、新しい発見に驚いたり、探究心を高めたりした。八月二十三日まで県内十六会場で行われる。

初回講座には小・中学生七十人が申し込み、友達や保護者と共に講義に聞き入った。自身を見詰め直すきっかけとして心理テストも教えた。子供たちは、インクの形を何かに例える「ロールシャッハ・テスト」を経験した。最前列で熱心に聞いた山根真大(まさひろ)君(中学一年)は「人の心理的なことがよく分かった。楽しい授業でした」と感想を話した。

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どうやってこういった情報を手に入れて参加しているんですかね


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静岡新聞(2007年7月22日 付)

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静岡新聞社・静岡放送は21日、静岡市駿河区谷田の県立大環境科学研究所と共催で体験教室「こどもと楽しむママサイエンス『紫外線をがっちり学ぼう!』」を同研究所で開いた。創刊65周年・開局55周年記念のキャンペーン事業「静岡かがく特捜隊」の一環。

同研究所の伊吹裕子准教授、豊岡達士助教が講師を務めた。17組の親子は、紫外線の健康への影響などを学んだ後、さまざまな実験に挑戦した。

センサーを使って紫外線の強度を測定する実験では、UVカットクリームや眼鏡で簡単に紫外線が防げることを確認した。紫外線を出すブラックライトを使った実験では、蛍光ペンで描いた絵や洗剤を溶かした水が暗闇の中で幻想的に光り、あちこちから「わぁっ」と歓声が上がった。

息子の純君(8つ)と参加した駿河区の主婦鈴木具代さん(40)は「自分が興味を持ったので、親子で学ぼうと思って来ました。肌への影響しか意識していなかったので、こんなこともできるんだと驚きました」と話した。

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親も興味を持ってもらえたみたいですね。


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福井新聞(2007年7月21日 付)

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夏休み親子科学教室が21日、福井市の県工業技術センターで開かれ、小学4年から中学1年までの児童生徒と保護者約130人が身近な材料を使い、工作や実験を楽しんだ。

同センターが子どもたちに科学に興味を持ってもらおうと昨年に続き開いた。児童生徒はセンターの「一日ジュニア研究員」に任命された後、5つのグループに分かれ▽空気圧を利用したホーバークラフト作り▽暗闇でも光るアクセサリー作り▽形状記憶合金で隠し絵・文字作り▽磁石と針金でエレキギター作り▽マイデザインバッグ作り―に挑戦した。

ホーバークラフト作りでは、まず空気に質量があることや、空気圧を使い地面や水面から浮いた状態で走行する原理を学んだ。続いてCDやモーターを使ったホーバークラフトを親子で製作。センター研究員が掃除機とゴム浮輪で作った大型ホーバークラフトにも試乗した。

父親と参加した高原陸君=松本小4年=は「工作はうまくできた。試乗体験は体が地面から浮いたので不思議な感じがした」と科学を楽しく体感した様子だった。

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5つの実験全部おもしろそうですね。


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山陰中央新報 (2007年7月21日 付)

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出雲市が同市今市町の出雲科学館に増設する理科学習棟が完成し、21日にオープンする。市町合併による市域拡大に伴う施設整備で、増設により旧出雲市外の小・中学校の授業にも同館が活用されるようになる。

同館は、2002年に開設されて以来、旧出雲市内の小・中学校20校を対象に施設を開放。小学3年から中学3年までの全クラスが1年間に1-3回のペースで授業し、学校ではできない実習や実験などを通し、子どもたちの科学に対する興味を引き出している。

理科学習棟の増設は、市町合併で市内の小・中学校が50校に増えたための措置。本館同様、天体学習用のプラネタリウムドームと実験室、実習室をそれぞれ2部屋備えた。

新しい理科学習棟は鉄骨3階建て、延べ床面積約2000平方メートルで、総事業費約9億円。施設拡充に伴い、教員や講師、指導助手など6人を増員し、27人体制にした。

21、22日には遠隔操作によるロボットショーを企画。両日とも午前11時半、午後1時半、同3時半の3回、定員100人で参加を受け付けている。

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面白そうですね、行ってみたいです。こういった専門的な設備や教員を配置する試みは面白いですね


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Tech_on(2007年7月17日 付)

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化粧品メーカーの日本ロレアルは2007年7月13日,第2回「ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞」の発表・授与式を日本工業倶楽部会館で行った。同賞は,日本ロレアルと日本ユネスコ国内委員会が,日本の若手女性科学者を支援する目的で設立したもの。今回は,物質科学,生命科学の分野から計5人が選出され,それぞれに賞状と奨学金100万円が贈られた。前回の受賞者は両分野で計3人だった。

物質科学分野から選出されたのは,東京大学大学院の神谷真子氏(26),北海道大学大学院の作田絵里氏(27),名古屋大学大学院の三浦陽子氏(33)の3人である。生命科学分野からは,理化学研究所の黒田有希子氏(29)と 日本医科大学大学院の戸張靖子氏(29)の2人が選出された。

作田氏の女性科学者としての原点は,高校入学時にさかのぼる。見学した科学部の実験で,発光する液体に衝撃を受けたのだという。今回の受賞のきっかけとなったのも,ホウ素化合物の発光性についての研究。ホウ素原子を含む化合物は,平面的な構造をとり,電子が動きやすい。その特徴により低電圧での発光が可能になり,寿命の長い発光材料を開発できる可能性があるという。将来的には,有機EL素子や発光型センサへの応用が期待されている。

戸張氏の研究テーマは,カナリヤやジュウシマツといった小鳥の鳴き声に関するもの。小鳥は求愛のために鳴き声を複雑に組み合わせて「歌」を歌う。このため,メスよりもオスが歌の習得に優れているとされるが,特にジュウシマツは,オスとメスの間で歌の学習能力に大きな差がある。受賞のきっかけとなった研究は,その学習能力の差を,オスとメスの大脳構造の違いから説明したもの。同氏は幼いころから猫やインコ,カメなど様々な生き物に囲まれて育ったことが,動物の音声コミュニケーションに興味を持つきっかけになったという。

このほか,神谷氏はがん細胞のみを光らせる酵素の研究,三浦氏はハニカム格子(原子が蜂の巣上に並んだ結晶構造)の状態変化に関する研究,黒田氏は骨を吸収する役割を持つ破骨細胞の研究により,今回の受賞となった。

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研究を続けながら日本を盛り上げていってほしいです。


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プレスリリース(2007年7月13日 付)

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地震や火山の仕組み、大地の営みを体感してもらおうと、地震火山こどもサマースクール「箱根ひみつたんけんクラブ」が八月四、五の両日、箱根火山などを活動場所に開かれる。

日本地震学会と日本火山学会でつくる実行委員会の主催。小学五年生から高校生までを対象に全国各地で開いている。ことしで八回目。

今回は、観光地である箱根の魅力をつくりだした大地の営みを探検したり、身近な材料を使った実験で火山や地震の仕組みを学ぶ。また、県立生命の星・地球博物館で開催する公開フォーラムに参加する。講師は両学会に所属する第一線の研究者らが務める。

参加費は宿泊費、保険代などを含めて四千円。問い合わせは、申込先の箱根町防災課電話0460(85)9562、またはファクス0460(85)7577。

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学会同士の横のつながりがあるといいですね。その意味で日本学術会議等にはがんばってもらいたいです。


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不明(2007年7月12日 付)

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昨年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」の開発に携わった国立天文台の男性教授が、文部科学省の科学研究費補助金(科研費)などを目的外流用していた問題で、同天文台の上部機関の自然科学研究機構は12日、この教授を戒告処分とした。

同天文台によると、教授は1997年から2005年にかけ、科研費計約422万円を研究を手伝う大学院生のアルバイト代に当たる「謝金」名目で受給していたが、実際には研究に伴う大学院生の学会出張旅費などに充当。さらに、研究者の結婚式の祝電代(938円)や、神社への実験成功祈願料(8800円)にも充てていた。

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昔は許されていたのでしょうが、今は許されない時代ですね。ただ、研究付随してかかるお金の問題をどう解決するかの根本的解決策は提示されていないですね


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Nikkei net(2006年12月27日 付)

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東京大学は27日、遺伝子研究に関する研究論文で不正をした疑いをもたれていた多比良和誠・工学系研究科教授(化学生命工学)と実験を担当した川崎広明助手の2人を同日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。東大の懲戒処分のなかで最も重く、浜田純一副学長は記者会見で「捏造(ねつぞう)は確認できなかったが、論文に信ぴょう性や再現性は認められない。科学研究の根幹にかかわる問題で厳しく処分した」と説明した。

東大によると、問題となったのは多比良教授が英科学雑誌「ネイチャー」などに発表した遺伝子研究に関する4本の論文。多比良教授らから提出された実験データを検証したが、4本とも信ぴょう性や再現性(実験を繰り返しても同じ結果が出る)がなかったため、学内の懲戒委員会が処分を検討していた。

懲戒委は多比良教授は「研究室の最高責任者として指導監督などを怠った」と指摘。川崎助手は「実験ノートを記録しないなど論文作成者として守るべき義務に違反した」とした。

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最近こんな話題ばかりです。。


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asahi.com(2006年12月26日 付)

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小中学生の理科離れを防ごうと、お茶の水女子大学(東京都文京区)が東京都北区と協定を結び、小中学校の理科の授業をサポートしている。講師たちが電子顕微鏡などを持ち込み、ミクロの世界を子どもたちに堪能させる。先生も大学側の助言を得、「理科の授業の研修」として授業を進めている。子どもも先生も学べる一石二鳥の試みだ。

11月末、北区西ケ原1丁目の区立滝野川小学校で、4年生の理科の授業が始まった。お茶の水大非常勤講師の宮本康司(こうじ)さん(31)たちが顕微鏡を持ち込み、準備している。生き物や植物の様子を拡大して調べるのがテーマだ。

お茶の水大と北区が「相互協定」を結んだのは、04年3月。子どもたちの理科離れを心配していた同区の高橋哲夫教育長が、知人の同大サイエンス&エデュケーションセンター長の千葉和義教授に持ちかけ、実現した。廃校を利用した土曜日の実験教室なども盛り込まれている。「出前授業」はこの7月から始め、区内の小中学校計8校で実施、来年3月までにさらに計3校で行う。

この日の授業では、児童はサクラの芽やタンポポの綿毛を虫眼鏡で観察した後、1人に1台用意した顕微鏡で拡大。「でけー」「ありえなーい」と歓声が上がった。

「もっと小さな世界も見られますよ」。同小の大貫淑子先生(50)が、電子顕微鏡でとらえたカマキリの卵を見せる。「この大きさが、実際の1ミリです」と手で示すと、「えー!」。驚きの声が上がった。

「子どもの興味を引くには、未知の世界を見られる顕微鏡が必要」と宮本さんは話す。待つ子が出ないよう顕微鏡は人数分そろえ、高倍率の電子顕微鏡を活用する。

しかし宮本さんらは、使用法を説明するだけ。授業の進行を務めるのはいつも通り大貫先生だ。同小の林四郎校長(58)は「小学校の教員は文系出身が多い。理科の授業に『恐怖感』を抱く人が目立つ」と指摘。この取り組みにより「大学側と事前に打ち合わせをしてから授業に臨むことで、進め方を学べる」と説明する。

大学側が小中高校の出前授業をする例は各地で広がっているが、宮本さんによると、大学の教員が出前授業に訪れると、現場の先生は見ているだけになりがちだという。「先生が実験のやり方などを覚えれば、継続して中身の濃い授業が出来る」と意義を語る。

林校長は「理科は人間生活の土台となる教科。児童も教員も、大学のノウハウを吸収出来れば」と話している。

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驚きって大切ですよね。興味につながります。そして何よりも大切なのは先生が授業の仕方を知れることですね。


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asahi.com(2006年12月26日 付)

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福岡県内の高校生らを対象にした調査で、女子は男子と比べ、理系科目に苦手意識を持つ傾向が強いことが、福岡市のNPO法人「福岡ジェンダー研究所」の調査でわかった。中学時代の理科実験の中心的役割は男子が担うケースが目立つなど、女子が理系分野に劣等感を抱きやすい現状も浮かび上がった。

福岡県男女共同参画センターから調査を委託された研究所が05年11月、福岡県内の6高校8クラスの約2千人や保護者を対象にしたアンケート、大学生や大学院生に対するグループインタビュー、技術職に就いた女性へのインタビューなどを実施した。

高校生に、芸術や家庭も含む16科目について得意か苦手かを尋ねたところ、得意は「理科(物理)」は女子5.6%、男子22.3%、「数学」は女子34.8%、男子46.4%で、理系科目では男子の方が高かった。

中学時代の理科実験での役割については、「実験器具を使って、実験の中心となった」が、男子は52.6%と過半数だったが、女子は38.8%にとどまった。

一方、理系と文系の女子高校生を比較すると、「子どもは3歳までは母親が家庭で育てたほうがよい」という質問項目で「とてもそう思う」と答えたのは、理系志望で27.5%と文系志望の20.8%を上回り、性別役割意識は理系志望の方が高かったという。

保護者は、娘に対し「理系への進学を望んでいる」が47.5%で、「文系への進学を望んでいる」より7ポイント高く、娘の進路に理系を希望する保護者が目立ち、資格取得志向も強かった。

調査研究報告書についての問い合わせは、同センターあすばる(092・584・1261)まで。

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性別役割意識は理系志望の方が高いということは、結果的に女性研究者は定年までいることが少ないのでしょうか。また、中学時代の実験の主体性との係わりは面白い結果ですね。


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Nikkei net (2006年12月21日 付)

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「実験データがあると言うが裏付けるものがない。調査の結果、不正だったと確信している。反省の色も見られない」。記者会見で馬越佑吉副学長は、強い口調で杉野教授を批判した。

国立大学の法人化をきっかけに、大学同士の競争を促す一方で、大学の透明性や公正さが一段と求められる中、不祥事に対して厳しい姿勢に転じる傾向が強まる。

京都大は今年3月、大学の承認を受けずに企業から研究費などを受け取った教授を懲戒解雇にしたほか、早稲田大は10月、国の研究費を不正受給した理工系教授を1年間の停職処分に決め、辞職させる方針を表明した。

個々の研究活動は著名な専門誌に載った論文の数で評価され、研究費に反映される。国は優れた研究に手厚く配分する競争的研究費を増やしており、論文の改ざん・捏造は国費の不正利用に直結する。大学のイメージを著しく損なうことになるだけに、大阪大は懲戒解雇というより厳しい処分を下した。

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論文捏造、大阪大教授を懲戒解雇

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モラルが問われています。


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四国新聞(2006年11月12日 付)

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子どもたちに理科の楽しさを紹介する第十四回かがわけん科学体験フェスティバル(同実行委員会など主催)が十一日、香川県高松市幸町の香川大で始まった。子どもたちは多彩な実験や工作に挑戦し、科学の不思議な世界に触れながら興味を膨らませた。十二日まで。

香川県内の教員や企業、ボランティアらが三十四のブースを出展。液状化現象を再現する実験道具を作ったり、ロボット相撲の体験、プラスチックを加熱してできるキーホルダー作りなど、体験型の企画が並んでいる。

会場ではこのほか、第六十二回香川の発明くふう展(香川県など主催)も開催。県内の小中高校生によるアイデアあふれる百十一点を展示している。

十二日は日本学術会議のミニ講演会もある。時間は午前十一時と午後二時の二回。

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こういった活動は全国ですごく多い。横のつながりはあるのでしょうか


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中日新聞(2006年8月29日 付)

記事:

理工系女性の地位向上は有望な"卵"を増やすことから。埼玉県の国立女性教育会館で三日間の合宿「女子高校生夏の学校」が開かれ、全国から百人を超す生徒が集まった。学年が進むにつれて減少していく理工系志望女性をつなぎ留めようと、学会を横断して懸命の取り組み。果たしてその成果は-。 (吉田薫)

「電池につながれていないのに光るアンテナを作ってみましょう」。女性研究者の指導で半導体の実験に取り組む女子高校生たち。ほとんどが初体験のはんだ付けに苦戦しながら、携帯電話に付ける発光ダイオードの工作を完成させていく。興味に応じてさまざまな実験が用意され、DNAの電気泳動や、音声認識の実験に取り組む生徒もいる。

見本市のようなブースでは、生物、物理、天文、原子力などの学会がそれぞれの魅力をアピール。研究者の説明を熱心に聞く姿が見られた。

一線の研究者、技術者による講演も。たとえば鹿島の天野玲子土木技術部長は「トンネルの現場に女性が入ると山の神が怒るといわれた。それは危険な場所に女性を立ち入らせないためだったり、事故を発生させないよう細心の注意を払おうという精神の表れ。現在、土木の現場で女性だから働けないということはない」と話した。

このイベントは文部科学省と日本学術会議の音頭取りにより、今年が二回目。高校生の反応はどうか。

根岸福さん(近大付属東広島高)は「やると決めた道を積極的にやっている先輩がたくさんいることが分かった」。平川絵理佳さん(佐賀・武雄高)は「あらためて土木分野へ進みたいと思った。でも親の説得をどうするかが一番の問題」。坂本怜子さん(静岡雙葉高)は「無重力を利用した宇宙実験の話が面白かった。でも、問題は受験です」。

学問の魅力はそれなりに伝わったようだが、大学受験や家族の考えといった"現実の壁"も突破しなくてはならない。

イベントの企画委員の一人である大隅典子・東北大教授は「主にスーパーサイエンス校に指定された学校の生徒に声をかけた昨年に比べ、ことしは幅広い層の生徒が集まった。理系の女性が普通の人と同じだということを知ってもらい、理系進学への偏見をなくすことを狙った」と話す。

理系の負の面、たとえば論文を書く困難さ、家庭との両立の難しさは伝わったのか。大隅教授は「大学院生への支援は、金銭的には充実してきたし、子育て支援も進んでいる。男女を集団で比較したとき、性差がある分野は存在する。けれども個人差の方がはるかに大きいことを知ってほしい」と言う。

女性研究者が一生懸命になる背景には、科学界での女性の地位の問題がある。全大学の理学系で、助手は女性が17%を占めるのに、教授は4%にすぎない。絶対数も少ない。工学系の学位取得者に占める女性の割合を国別に比べると、日本は9%なのに、米・独・仏・英・韓はいずれも20%を超す。日本の高校では学年が進むにつれ、女性は文系希望者が増えていくというデータもある。

粂昭苑・熊本大教授は「とにかく女性研究者の数を増やすことが大切。まず科学の面白いところを伝えなくては」と話す。企画委員らは、卵を育てる社会に向けても「理系に女性を」と呼び掛けていくことにしている。

コメント:

男女性差より個人差の方が大きい、本当に知ってもらいたいことですね


出典:

Nikkei net(2006年7月14日 付)

記事:

神戸大工学部の大前伸夫教授(59)が2004年、ダイヤ工具製造法の実験データを捏造(ねつぞう)し、特許出願していた問題で、神戸大は13日、学内の特許出願を担当する連携創造本部の中井哲男教授(57)の主導だったとする調査報告書を発表した。「大学の業績を上げたかった」と説明しているという。神戸大は同日付で中井、大前両教授を訓告、特許の共同出願者の助教授を厳重注意処分とした。

調査委員会によると、中井、大前両教授と助教授の3人は04年4月、「レーザーをダイヤモンドに照射して表面の性質を変えることで、鉄を高精度に切削できるダイヤモンド工具の製造法を発明した」とする特許を出願。その際に添付した8種類のうち5種類は、実験を行わずに捏造したデータだった。

調査委に対し、大前教授は「中井教授に削除を求めたが、止められなかった」などと説明。中井教授も自ら主導したことを認め、「大学の業績を上げるためにやった。やり過ぎだったと反省している」と釈明したという。中井教授は民間企業の研究者出身。前身の連携創造センター時代から産学連携部門の責任者を務めている。

同工法開発を含む研究は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択され、今年1月に助成金4500万円が交付された。今回の調査で「助成金獲得が特許出願の狙いではなかった」ことが判明したため、大学側が自主返還する予定はないという。

コメント:

助成金獲得目的と思われても仕方ないです。


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