理系系ニュースで「宇宙」と一致するもの

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徳島新聞Web(2008年2月12日 付)

記事:

米司法省は11日、スペースシャトルなど航空宇宙開発に関連する機密を中国に渡す目的で盗んだスパイ行為の疑いで、米航空機大手ボーイングの元技術者(72)を逮捕したと発表した。

 逮捕されたのはカリフォルニア州在住の中国系米国人で、1973年から防衛・宇宙関連会社に勤務。この会社が96年にボーイングに買収された後は同社で働き、2003−06年には同社の請負業者として働いていた。

 司法省によると、元技術者はシャトルやC17輸送機、デルタ4ロケットに関する機密を中国に譲り渡すため取得したり、隠すなどしていた疑い。

 これとは別に、司法省は政府の機密書類を中国側に渡したスパイ行為の疑いで、国防総省の職員ら計3人をこの日逮捕した。

コメント:

国際的な技術スパイはまだまだなくなりそうにないですね。


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(2008年2月 6日 付)

記事:

レーザー光の照射を受けて2万6000個のベリリウムイオンが発する超低温プラズマ。超低温の原子は、量子コンピューターや精巧な計測機器の作成に利用でき、さらにはビッグバンの謎を解く鍵になるかもしれない。

原子1つ1つを捕まえることができれば、それを使っていろいろなことができる。強力なコンピューターを作れるし、重力のほんのわずかの変化も探知できる。ビッグバンのモデリングもできる。

これこそまさに、超低温物理学の分野の研究者たちが取り組んでいることだ。この分野では、原子を絶対0度近くまで冷却し、動きを遅くすることで、その量子特性を利用できるようにしている。

「原子の動きをきわめて遅くできれば、それらを十分に制御できる。そして完全に停止させられれば、数々のとても面白いことが可能になる」と、バージニア大学のCharles Sackett准教授(物理学)は語る。

この現象は、Albert EinsteinとSatyendra Nath Boseによって1925年に予言されていたものだが、いわゆるボース=アインシュタイン凝縮(BEC)が実現されたのは今からわずか12年前だ。その後の短い年月で、研究はかなり進行した。

超低温の分子は、近い将来、量子スーパーコンピューター、きわめて精密な計測機器、ナビゲーション・システムのほか、初期宇宙のモデルの作成にも利用されるだろう。いずれも、通常お馴染みの物質の状態では実現不可能なものだ。

Sackett准教授をはじめ、超低温物理学の研究者らは、レーザー光の照射によって原子の速度を落としている。この方法は1995年にEric Cornell氏、Wolfgang Ketterle氏、Carl Wieman氏が先鞭をつけたもので、3氏はこの業績によって2001年にノーベル物理学賞を受賞している。

通常、原子は光の影響を受けないが、レーザー光を適切な波長に調整した場合のみ、光子と原子は交わり合う。

光子は1つや2つでは、それどころか、数百万個あったとしても、大した影響はもたらさない。原子は室温下では秒速数十万メートルという速さで運動しており、そこに光子を1つぶつけるのは、シカゴ大学のCheng Chin助教授(物理学)の言葉を借りるなら、勢いよく転がっているボウリングの球に卓球の球をぶつけるようなものだ。

だが、卓球の球でも十分な数をボウリングの球にぶつければ、速度を弱めることはできる。原子と光子についても同じことが当てはまる。エネルギーの高い状態から低い状態に移行するのに伴って、温度も大きく下がる。これが、「超低温」という呼び名の由来だ。

これらの研究には通常、周期表の左端の列にあるアルカリ金属を用いる。なぜなら、これらの原子では最外殻に電子が1つしかなく、狙いをつけるのが容易だからだ。そしてひとたび十分に冷たくなると、原子はもはや、高校の化学の教科書でたとえに使われるような、ビリヤードの球が無茶苦茶にぶつかり合うような状態ではなくなる。そうではなく、それぞれの原子の配置と動きが一致した、調和のとれた振る舞いを見せるようになる。

超低温下でのこのような均質性は、意外に思われるかもしれないが、ビッグバン直後の超高温下にも見られたと考えられている。ボース=アインシュタイン凝縮について研究することで、宇宙の起源についても理解を深められると、Chin助教授らは期待している。

「初めは均一の媒体が広がっていた。本来、いかなる構造もなかった。それがその後、あらゆる種類の構造が現れた。この複雑さは何に起因するのだろう?」とChin助教授は語る。

宇宙の起源となると、日常生活の必要性からはやや縁遠く感じられるかもしれないが、超低温物理学はさまざまな形で実際に役立てることができる。

原子を光と磁気の網の目によって捕え、量子の変化の状態を制御することで、Chin助教授は超低温の分子を量子コンピューター・プロセッサーの作成に利用しようとしている。このプロセッサーはバイナリーコードに基づく既存のコンピューター・チップより強力になるはずだ。

「従来の半導体では、ユーザーは配線(に乗った)ビットデータとやり取りを行なう。だが、われわれの研究では、このやり取りを光子に受け持たせる。将来のコンピューターは、数百の原子を真空状態の中で泳がせ、そのやり取りを光によって制御するというものになるかもしれない」とChin助教授は語る。

そして、これは決して美しいだけの夢ではない。世界に現存するどのスーパーコンピューターよりも、はるかに強力なものとなるはずだ。

量子コンピューティング実用化のためには、原子をよりよく制御する方法についての研究がまだまだ必要だ。それまでの間に、超低温の原子ですぐれた計測機器を作ることはできる。

原子に表れた変化をたどることで、磁場や重力場の強さをきめ細かく推測できる。これはSackett准教授の専門で、実用化されれば原油の探鉱に威力を発揮するはずだ。というのも、原油の埋蔵箇所では、一般的な地殻に比べて密度が低いために、わずかに重力が減少することが明らかになっているからだ。

超低温研究のもう1つの実際的な応用例としては、GPSによらないナビゲーション・システムが挙げられる。これには角度を小数第9位まで計算する必要があるが、超低温原子は地球の自転に基づいてこうした計測をやってのける。

要するに、超低温物理学の世界は今、活気づいている。しかも、大きな可能性が残されている分野だ。

「この分野は途方もない速さで進歩している。現在進行形で物事が起きている。10年前だったらこんなアイデアは、SFの世界のことだしか受け取られなかっただろう」と、マサチューセッツ工科大学(MIT)のVladan Vuletic准教授は語った。

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東奥日報(2008年1月 2日 付)

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北海道工業大学(札幌市)が中心となって開発し、一昨年、地方大学として初めて打ち上げに成功した人工衛星「HIT-SAT(ヒット・サット)」が、一年以上を経過した現在も順調に軌道を回っている。この開発プロジェクトの中心となっているのが、本県出身で同大学准教授の工学博士・佐鳥新さん(43)。初めての衛星は十二センチ四方、重さ二・七キロと小さいが、実用化を目指す農業衛星打ち上げに向けた大きな一歩。研究から派生する「宇宙ビジネス」も大きな可能性を秘めており、全国的にも注目を集めている。

佐鳥さんは青森市の佃中学校、青森東高校から筑波大学に進み物理学を専攻、東京大学大学院で電気推進工学などを研究。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の前身・宇宙科学研究所で小惑星探査機「はやぶさ」搭載のイオンエンジン開発に携わった。一九九七年、北工大に移り、応用電子工学を教える傍ら、衛星開発プロジェクトチームを率いている。

衛星は北工大、北海道大学と民間の有志が設立した大学発のベンチャー企業「北海道衛星株式会社」が打ち上げた。一般に衛星開発は国家プロジェクトとして数百億円規模の費用がかかるが、ボランティアの協力などで約三百万円の開発費用に抑えた。

同社社長も務める佐鳥さんは「ヒット・サットは人工衛星の姿勢を制御するためのデータ収集が主目的だが、それ以前に打ち上げそのものが実験だった」と語る。三年以内に完成を目指す、実証衛星「大樹(たいき)1号」の予備実験という位置づけもある。大樹には地上から制御可能な画像センサー、高画質画像をレーザーで送信する通信機能を備え、十三センチ四方、重さ十五キロとなる見込み。最終的には五十キロ程度の衛星を目指す。

小学校教師で、理科が専門の父・毅さんの影響で幼いころから理科、特に天体に興味を持った。小学生の時に電磁誘導の実験を試みたり、高校入試の面接では「将来、UFOを飛ばしたい」と夢を語った佐鳥さん。今も「ワープ(空間移動)できる機械をつくりたい」と目を輝かせ、「小型衛星の分野で、日本は世界をリードするチャンスがある。企業を巻き込み、産学連携により北海道や青森県のように地理的に不利な条件でも産業・雇用創出が可能になる」と故郷の発展に思いをはせている。

◇資金協力を呼びかけ

佐鳥さんのグループは人工衛星の研究開発をさらに進めるため、基金を設置し本県を含めた幅広い層からの支援、協力を求めている。基金参加費(寄付金扱い)は一口一万円。問い合わせは事務局まで。メールアドレスはyamazaki@hit.ac.jp ※「@」を半角にしてください

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近いうちに秋葉原で売っている部品で衛星が飛ばせる時代が来るかもしれません。しかし民間レベルでここまでできるのはすごいですね


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教育マルチメディア新聞(2008年1月 1日 付)

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平成23年度から施行される新学習指導要領の審議のまとめが11月9日公表された。「審議まとめ」は、次代を担う子どもたちの主要能力(キー・コンピテンシー)「生きる力」をはぐくむことを目的とし、外国語活動や古典学習、言語活動などあらゆる視点から「生きる力をはぐくむ」教育実現に向けた方策が考えられている。

また、知識の習得、活用は主として「教科」で担い、探究は主として「総合的な学習の時間」で担うという各教科と総合的な学習の時間との役割分担が明確になり、「総合」と「各教科」の連携が図りやすくなった。教育課程部会では引き続き審議を進め、1月中に中教審として答申を取りまとめ、小・中学校については今年度内の改訂を目指すこととしている。

なお渡海文部科学大臣は「平成23年度以前に先行して実施できるものについては、平成21年度からは「移行措置」に入ることを踏まえ、平成21年度から実施したい」旨述べている。文部科学省では、平成20年度に新しい学習指導要領について十分な周知を集中的に図った上で、平成21年度から「移行措置」に入ることが検討されている。特に今回の改訂では授業時数や教育内容を増加する教科があり、「移行措置」期間中に必要に応じ内容を追加して指導することを検討する必要があるとしている。

今回の『生きる力』は深化している
中教審委員・角田元良氏(聖徳大学)
今回の『生きる力』は深化している。

今回の「審議まとめ」では、「生きる力」を子どもに身に付けさせるにはどんな能力をどのように付けるか、その方策が明らかになってきている。

OECDなどの国際的な研究成果からも、習得した知識を活用して主要な能力(キー・コンピテンシー)である思考力・判断力・表現力を身に付け探究させることが『生きる力』の育成につながる、と理論的に裏付けられた。表現力・コミュニケーション能力は、国語科を中核としながらも、全ての教科で養うべき能力であることが明示された。

今回の「審議のまとめ」で、もう一つ注目すべき点は、条件整備をきちんと求めている点。このことは、教師が子どもと向き合う時間を確保し、どの子にも、きめ細かな指導をするための必要条件であり、「生きる力の共有」を担保するものでもある。

国と、設置者である地方自治体の首長や人事権を持つ教育委員会等は、これを重く受け止め反映するとともに、税金を納めている我々国民も、その成り行きを厳しく監視し、その結果を検証していかなければいけない。

審議まとめパブリックコメント1140件
「生きる力」はぐくむ「理念」評価 
新教科「科学と人間生活」

中央教育審議会では「教育課程部会における審議のまとめ」を公表、パブリックコメントを募集した。コメントは郵便、FAX、電子メールなどを含め、1140件寄せられた。うち898件が電子メールによるもの。また、教職員からは約6割弱にあたる655件の意見・コメントが寄せられた。

パブリックコメントの内容について、文部科学省教育課程部会の報告によると、学習指導要領改訂の基本的な考え方(「生きる力」をはぐくむという理念の継承等)については、賛成の意見が多かった。また、教員からは、現行の学習指導要領で理念が実現しなかった原因について様々な見解が指摘された。

理数や国語等の授業時数の増加については、賛成との意見のほか、単に授業時数を増やすだけではただちに学力向上にはつながらず、教育内容や指導方法の改善・充実、条件整備が必要との指摘があった。

総合的な学習の時間については、時数を縮減しつつ内容の充実を図るべき、廃止することも一方策、成果を見極めるべき、現行の授業時数を維持すべきなど様々な意見があったが、特に条件整備の必要性の指摘が多かった。

中学校の選択教科については、廃止すべきとの意見と総合的な学習の時間の一部を学校の判断で充てることを可能にすべきとの意見の双方があった。

小学校における外国語活動(仮称)の導入については、条件整備の必要性を指摘しつつ賛成する意見が多かった。

高等学校の必履修科目の在り方については、地理歴史及び理科において、様々な立場からの意見があった。また、理科の新科目「科学と人間生活」に対する期待を指摘する意見が出された。

道徳教育の教育課程上の在り方については、教科化すべきとの意見、現行の位置づけを前提に地に足のついた取組みを進める必要があるとの意見、社会がきちんと模範を示す必要があるとの意見があった。

―― コメントから
「日本はもっと科学力を強化する必要があるにもかかわらず一般の興味は離れていく一方。そこで、『科学と人間生活』は今の時代最も必要な科目。国際問題(宇宙、石油、エネルギー)、国内問題(防衛、経済)などのニュースを中心に、基礎教科とはまた違った角度で世の中を見るようなものにすべき」

「教科学習の授業時数を増加させるとしているが、必要性を唱えるだけでは実効性あるものにはならず、授業時数だけが増えてますます子どもたちの『ゆとり』は奪われることになる。課題追究型の学習にとって、それを支える体制作りが不可欠であり、単に授業時数を増やすのではなく、30人以下学級の実現等の条件整備を優先すべき」

「小中学校の教諭の残業が増加しており、子どもたちの指導に直接かかわる業務以外の業務に多くの時間が割かれている実態が明らかになっている。今現場に必要なのは、真にゆとりがあって、子どもたちが楽しく学べる環境。教職員にゆとりがなければ、どんな素晴らしい提言も意味がない」

「根本的な入試(卒業)制度の改革がなければ、学校教育の質も、保護者の意識も、企業の採用方針も旧態然とした状況を変えることは困難」

IICT環境整備で事務効率化を
経団連が意見書
育投資効果訴え

社団法人日本経済団体連合会教育問題委員会は12月5日、教育課程部会における審議のまとめに対するコメントを中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会へ提出した。

それによると、「教育現場が、子どもたちの理解や地域や保護者の期待を踏まえた授業の質の向上に取り組むためには、学校や教員の創意工夫を促す環境整備が不可欠」「人事、予算、学級編成、教育課程の編成などに関する学校(校長)、市区町村教育委員会の権限を拡大すべき」であるとし、「国・教育委員会は、教育現場が抱える問題を専門的見地から助言・支援するとともに、教員の指導力や校長のマネジメント力向上に向けた研修、先進的な教育実践の普及などの取り組みを強化すべき」と述べている。

また、「教育投資の拡大については、教育界がその質の向上や予算執行の効率化に最大限の努力を傾けることが大前提」とし、「教員一人当たりの年間授業時数は主要先進国に比して少ないにもかかわらず、子どもたちと向き合う時間の確保が難しい」現状から、「事務処理にかかわる教員の業務軽減、ICT環境整備による事務効率化、外部専門家の活用などを進め、教員の指導力や授業の質の向上への努力を支援」が重要としている。

各論については「『ものづくり』については、理科、算数(数学)との関係も切り離すことができない」「ものづくりの土台となる理科、算数(数学)と連携した教育の推進」の記述を追加すべき」「ICTに関しては、『活用』を中心に述べられているが、『インターネットの仕組み等を分かりやすく教えることが、ICTに対する興味・関心を深めることや、ICTの光と影を理解させるために重要』である旨を記述すべき」としている。

教育条件の整備」に反響
教師が子どもと向き合う時間」確保のために

新学習指導要領には多くの課題が盛り込まれている。「審議まとめ」には、「教師が子どもたちと向き合う時間を確保」するために、教職員配置、設備、教科書・教材、ICT環境の整備も含めた学校の施設など「教育条件の整備」が必要、としている。各関連団体からは「教育条件の整備」について期待が込められたコメントが多くあった。

◇   ◇

▽全国公立学校教頭会「今回よい方向に舵を切ったと思うが、この方向を推進するためには、教員数の増などの条件整備が不可欠」

▽全国公立小中学校事務職員研究会「教育条件の整備が重要であることが盛り込まれたことは画期的。学校マネジメント機能の強化のための事務職員の定数改善、学校での内部委任等の事務処理体制の強化、武道の必修化にともなう指導者の確保や施設の整備等の条件整備が必要」

▽全国公立高等学校事務職員協会「教科の指導の充実や事務処理の効率化のため、教員一人に一台のコンピュータを整備することが必要」「事務職員が教育課程の編成に携われるような能力の育成が必要であり、教員が参加するマネジメント研修に事務職員が参加できるようにすべき」

▽日本商工会議所「ICTを活用した授業は効果的。教員のICT活用能力の向上や学校のICT環境の整備を推進すべき」「教員の事務負担の軽減を図り、自己研鑽の時間を確保すべき」

▽全国連合小学校長会「少子化が進んでいるものの教員は諸課題の対応に追われ、児童と十分に関わる時間を確保しにくい状況にある。一人一人に対しきめ細かな教育を行うためには条件整備が必要」「全国学力・学習状況調査の活用については実施上の課題を分析し、その必要性や方法を常に見直すことが必要」「体験的な活動」は大切であるが、各学校により条件が異なるので、条件整備が必要」

▽財団法人全国高等学校体育連盟「教師の事務負担軽減を中心とした教育条件の整備が必要」

PISA2006と新学習指導要領
「科学への興味関心」早急な対応必要

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2006)の結果が全世界で同時発表された。渡海文部科学大臣はこれについて「順位が下がったのは残念。成績の問題もあるが、1番気になったところは科学に対する子どもの関心が低下しているという結果」「学習指導要領が決まれば、できるだけ速やかにやれることからやるべき。今回のPISAの結果も踏まえ、どこからやれるのか、またどこがやれるのか、スピーディーに検討していきたい」と述べている。

文部科学省では「特に、今回のPISAの結果を踏まえると、先行して実施する内容としては、まずは指導内容の増加が見込まれる算数・数学、理科を対象として検討を進めていくことが必要」「基礎的・基本的な知識・技能の定着とPISA調査で重視している思考力・判断力・表現力等の育成の双方を車の両輪としてはぐくむことが重要」としている。

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時間数の増加だけではなく、中身とりわけ教師の質向上が求められています。そしていつも行っていることですが、遅い。本当に取り組みが遅いです。


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南日本新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

鹿児島人工衛星開発部会が製作した衛星の試作機=鹿児島市川田町 「鹿児島人工衛星開発部会」(部会長・西尾正則鹿児島大学理学部教授)が開発している鹿児島人工衛星(KSAT)の試作機が、このほど完成した。2009年春、海外からの打ち上げを目指す。

試作機は鹿児島市川田町の金型工場「東郷」で組み立て。一辺10センチのサイコロ型本体に、太陽電池パネル4枚とカメラ付き姿勢安定ブームを装備。1月から約2カ月間、振動試験や熱環境試験を行い、3月末に実際に打ち上げるフライトモデルが完成する。

KSATは、衛星が発した電波を複数の地上アンテナで受信し、大気中の水蒸気分布を調べ集中豪雨をもたらす雨雲の発生を予測する。

宇宙航空研究開発機構は06年度、08年夏に種子島からH2Aロケットで打ち上げる温室効果ガス観測技術衛星に相乗りさせる小型衛星を民間から募集。KSATは同時期の打ち上げを希望する13件の候補リストに登録されたが、07年5月の最終選考で落選した。

打ち上げるロケットが未定のまま開発は継続。現在、09年4-6月ごろ、ほかの民間小型衛星と共同で、海外のロケットに搭載する方向で調整している。海外のロケットを利用する場合、打ち上げ費用が数百万円かかるため、今後は資金の調達が課題となる。

鹿児島人工衛星開発部会は、鹿児島大学の研究者や学生、県内中小企業の技術者らでつくる産学官連携グループで05年10月設立。

西尾部会長は「非常に満足な出来栄え。開発成果が形となり、打ち上げに一歩近づいた」と話した。

コメント:

小型衛星は日本が海外と戦える数少ない航空宇宙の分野ですね


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北海道新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

月探査衛星「かぐや」が、漆黒の宇宙の中に、青く美しい姿を映し出した地球が危機にある。

二○○八年は、主要国首脳会議(サミット)が、北海道洞爺湖で開かれる年だ。主なテーマは、温暖化から地球をどう救うかだ。 地球温暖化は、石炭や石油を用いて便利で快適な生活を追い求めてきた近代文明が、知らず知らずのうちにもたらした結果であり、ようやく深刻さが分かってきた。

今世紀半ばまでに、環境は激変する。このままだと人類が生き延びられるかどうかの瀬戸際にさしかかるのは、ほぼ間違いない。 しかし、現代の先進国に生きる私たちの多くは、気象などの異変を感じながらも、まだ、どこか人ごとのようにとらえているのではないか。

「自分の生きているうちは大丈夫だろう」。そうかもしれない。だが、子孫はどうなるだろう。 遠い将来のことではない。干ばつ、気温上昇、洪水などで、まず被害に遭うのは、貧しい国の人々だ。 言葉を発しない動植物は、すでに数多くの種が滅びたり、生存が危ぶまれたりしている。

*近代都市文明のおごり

米地質調査所によると、四十年後、いま二万頭いる世界のホッキョクグマが三分の一に減る。餌場である北極海の氷が、夏になると解けて、生息が難しくなるからだ。

ドイツ・ベルリン動物園に、母親の育児放棄で話題になったホッキョクグマがいる。名前はクヌート。愛くるしさで菓子や記念硬貨のモデルにもなった。 クヌートをかわいがる人間が、世界のホッキョクグマの運命に無関心でいられるだろうか。

ともに生きてきた地球の仲間が危機にある時、同情や痛みを感じないとすれば、おごりのツケは自らに回ってくるのではないか。 考えてみると「自然を守れ」という言い方は人間のおごりかもしれない。人間が自然に守られている、あるいは人間も自然の一部にすぎない-。遠い昔は広く共有され、いまもアイヌ民族などに残る思想だ。

そのように考えなくなったのは近代の工業・都市文明からだと言ってよい。地球環境を悪化させた要因は、消費をあおり、資源をムダ遣いして顧みない経済・社会の構造にある。

*温暖化が国際紛争生む

国であれ企業であれ、個別の利益が優先され、社会全体の利益は考慮されないどころか、かえって損なうことが往々にして起こる。また今日、国境を越えた投機的なカネの動きがこうした傾向に拍車をかけ、各国の中でも、世界的にも経済格差を広げている。これ自体がサミットの大きな課題だ。

「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は昨年まで、四次にわたり報告書を発表してきた。 それによると例えば、二○五○年代のアジアでは、穀物収穫量が最大三割減り、一億三千万人が新たに飢餓状態になる恐れがある。 飢えや貧困の広がりは、資源をめぐる国際紛争につながる。

国連開発計画の報告書は、米フロリダ州のエアコン一台が一年間に出す温室効果ガスの量は、カンボジアの国民一人が一生かかって出す量より多い、と指摘している。

自分たちが豊かになっていないのに、先に発展した国のせいで、真っ先に温暖化の影響にさらされる。発展途上国には、理不尽な話だ。 しかし、いま先進国が享受しているのと同じスタイルの豊かさを、いずれは世界中が達成できる、と考えるのは難しい。

*国超えた世論の連帯を

だからこそ、資源を節約しつつ、先進国が途上国を資金・技術支援する仕組みが不可欠だ。 IPCC統合報告書は、今後二十-三十年の努力と投資が、地球の将来の鍵を握ると指摘した。これを受け、国連の潘基文事務総長は「科学者が声を一つに合わせた。次は世界の政治家の番だ」と述べた。 先進国と発展途上国、また先進国間でも対立する利害の調整を強く促したものだ。

先頭に立って汗をかくのは、サミットのホスト国で、国際協調のもとでしか生きられない日本でなければならない。従来のように模様眺めをしている場合ではない。そして政府や企業の背中を押すのは世論だ。各国の世論が連帯し、国家の利害を超えた、地球民主主義とも言うべき考え方が求められる。

世界各地で脱温暖化の住民運動が起きている。 家庭のごみを少なくする、地産地消を広げる、環境問題に不熱心な企業の製品は買わないなど、脱温暖化は一人一人の生き方にもかかわる。 一層の工夫が必要だし、負担も覚悟しなければなるまい。

 「高齢者は、自分がその下で憩うことのない木を植える」 二十世紀を代表する米国の評論家ウォルター・リップマンの言葉だ。 高齢者を「現代人」と置き換えてみよう。民主主義は、その時代に生きる者の幸せだけでなく、子孫の幸せをも視野に入れなければならない、ということだろう。

地球環境という共通の課題を通じて、人類の未来への「想像力」をめぐらせ、行動する時である。

コメント:

今、そこにある危機を危機として認識しないのは、いずれにしても人間の本能何でしょうか。
そういえば、地球温暖化がCo2をはじめとする温室効果ガスによるものということは、科学的にはっきりしたのでしょうかね。最近のアメリカ商業主義に押されてこのようなことを気にする人はいなくなってしまったのでしょうか。


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共同通信(2007年7月25日 付)

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全国から選抜された理科好きの中学2年生計40人が、合宿生活を送りながらノーベル賞科学者ら「スーパー先生」たちの授業を受け、さまざまな実験にも取り組む「創造性の育成塾」(NPOネットジャーナリスト協会主催)が、8月3日から11日まで、山梨県富士吉田市で開かれる。

同協会会長の有馬朗人・元文相が「理科系の英才教育には、進路が固まる前にトップクラスの研究者と触れ合うのが大事」と発案、昨年夏に第1回を開催した。2回目の今年は、ノーベル化学賞を受けた白川英樹筑波大名誉教授の授業のほか、宇宙飛行士の山崎直子さん、トヨタ自動車の張富士夫会長の講演なども予定されている。

参加者は、論文で選抜された北海道から熊本まで24都道府県の男子22人、女子18人。

主な授業は4日から9日まで連日、インターネットでライブ中継。http://netj.or.jp/juku/index.htmlで見られる

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若いうちに一流の人に会うと刺激になりますよね。


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広島経済新聞 (2007年7月20日 付)

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対話イベント「サイエンスカフェひろしま『夏の星空カフェ』」が8月9日、広島市役所(広島市中区国泰寺町1)本庁舎屋上庭園で開催される。主催は、広島市科学技術市民カウンセラー連絡会議と広島市。

サイエンスカフェとは、市民と科学者(専門家)が交流することで科学の現状と課題を考えることを目的に1990年代後半に英国でスタートしたもの。お茶を飲みながら科学者と双方向で「気軽に」語り合うスタイルが特徴。科学技術を身近に感じてもらうのが目的。

2007年12月よりスタートし5回目を迎える今回の企画のテーマは、「望遠鏡で見る星空とバーチャル宇宙旅行」で、専用のメガネをかけて立体映像などを見てもらうという。野外での実施は初の試み。

「参加者の年代は高校生からと幅広い」と広島市経済局担当者。参加方法は、8月1日8時30分から電話受付を行う。定員は先着25名。開催時間は18時~20時で、参加費は250円。

昨年4月には、日本学術会議主催でサイエンスカフェが全国21カ所で開催された。「近年では大学やNPOなどで開催され広がりを見せている」(日本学術会議事務局担当者)という。

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サイエンスカフェ、身近になるといいですね


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中日新聞(2006年8月29日 付)

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理工系女性の地位向上は有望な"卵"を増やすことから。埼玉県の国立女性教育会館で三日間の合宿「女子高校生夏の学校」が開かれ、全国から百人を超す生徒が集まった。学年が進むにつれて減少していく理工系志望女性をつなぎ留めようと、学会を横断して懸命の取り組み。果たしてその成果は-。 (吉田薫)

「電池につながれていないのに光るアンテナを作ってみましょう」。女性研究者の指導で半導体の実験に取り組む女子高校生たち。ほとんどが初体験のはんだ付けに苦戦しながら、携帯電話に付ける発光ダイオードの工作を完成させていく。興味に応じてさまざまな実験が用意され、DNAの電気泳動や、音声認識の実験に取り組む生徒もいる。

見本市のようなブースでは、生物、物理、天文、原子力などの学会がそれぞれの魅力をアピール。研究者の説明を熱心に聞く姿が見られた。

一線の研究者、技術者による講演も。たとえば鹿島の天野玲子土木技術部長は「トンネルの現場に女性が入ると山の神が怒るといわれた。それは危険な場所に女性を立ち入らせないためだったり、事故を発生させないよう細心の注意を払おうという精神の表れ。現在、土木の現場で女性だから働けないということはない」と話した。

このイベントは文部科学省と日本学術会議の音頭取りにより、今年が二回目。高校生の反応はどうか。

根岸福さん(近大付属東広島高)は「やると決めた道を積極的にやっている先輩がたくさんいることが分かった」。平川絵理佳さん(佐賀・武雄高)は「あらためて土木分野へ進みたいと思った。でも親の説得をどうするかが一番の問題」。坂本怜子さん(静岡雙葉高)は「無重力を利用した宇宙実験の話が面白かった。でも、問題は受験です」。

学問の魅力はそれなりに伝わったようだが、大学受験や家族の考えといった"現実の壁"も突破しなくてはならない。

イベントの企画委員の一人である大隅典子・東北大教授は「主にスーパーサイエンス校に指定された学校の生徒に声をかけた昨年に比べ、ことしは幅広い層の生徒が集まった。理系の女性が普通の人と同じだということを知ってもらい、理系進学への偏見をなくすことを狙った」と話す。

理系の負の面、たとえば論文を書く困難さ、家庭との両立の難しさは伝わったのか。大隅教授は「大学院生への支援は、金銭的には充実してきたし、子育て支援も進んでいる。男女を集団で比較したとき、性差がある分野は存在する。けれども個人差の方がはるかに大きいことを知ってほしい」と言う。

女性研究者が一生懸命になる背景には、科学界での女性の地位の問題がある。全大学の理学系で、助手は女性が17%を占めるのに、教授は4%にすぎない。絶対数も少ない。工学系の学位取得者に占める女性の割合を国別に比べると、日本は9%なのに、米・独・仏・英・韓はいずれも20%を超す。日本の高校では学年が進むにつれ、女性は文系希望者が増えていくというデータもある。

粂昭苑・熊本大教授は「とにかく女性研究者の数を増やすことが大切。まず科学の面白いところを伝えなくては」と話す。企画委員らは、卵を育てる社会に向けても「理系に女性を」と呼び掛けていくことにしている。

コメント:

男女性差より個人差の方が大きい、本当に知ってもらいたいことですね


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