理系系ニュースで「鉱物」と一致するもの
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くまにち.コム(2008年2月14日 付)
記事:
地球内部の高温高圧状態を再現した実験で、マントルに含まれる水分が従来の想定よりはるかに少ないとの分析結果を、岡山大地球物質科学研究センター(鳥取県)の芳野極研究員らがまとめ、17日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
含まれる水が少ないとマントルの粘性が高まって動きにくくなるため、マントル対流の仕組みを見直す必要も出てくる。芳野研究員は「従来の考え方と異なり、浅い部分に水があっても、深い所はカラカラに乾いているのでは」としている。
芳野研究員らは、深さ410-660キロにあって流動するマントル遷移層に着目。含まれる2種類の鉱物を高温高圧にし、含水量を変えながら電気抵抗を計測したところ、含水量が多いと磁気嵐などを利用した観測値と一致せず、水をほとんど含まない場合は一致することを突き止めた。
これまではプレートの沈み込みに伴い、海水などが地中深くまで引き込まれると考えられていた。再現実験とはいえ常識を覆す結果で、今後議論を呼びそうだ。
コメント:
科学って測定技術が変わっていくと今までの既存の概念が根本から覆されたりして面白いですよね。
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学びタイムズ(2008年2月11日 付)
記事:
秋田大学付属鉱業博物館は4,000点以上もの資料を展示しており、鉱物・岩石・化石などの標本類の美しさを堪能できるほか、地下資源の開発・利用に関する資料など、さまざまなことを学ぶことができるという。
このたび同博物館では、市民にも身近に感じてもらおうと、来る2月12日(火)よりサイエンスボランティアの募集を始めるという。この取り組みは、平成7年より毎年行われており、今年度もボランティアとなった人には「生涯学習の一環として自身も学習を深めながら、博物館と市民を結ぶ架け橋」となるよう、博物館主催の学習会を行うという。初めての人や、科学に対して苦手意識があっても大丈夫ということだ。
<鉱業博物館ボランティア募集>
募集期間:2月12日(火)〜4月30日(水)
●問い合わせ
鉱業博物館事務室 TEL:018-889-2461
コメント:
鉱物は正直あまり身近ではないので、参加すると興味沸くかもしれませんね。それにしても、科学に対して苦手意識を持っている人も対象にしているのはある意味すごいですね。
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JANJAN(2007年12月27日 付)
記事:
今年4月から日本発・世界最初のコンセプト「元素戦略」が動き出している。文部科学省が実施する事業「元素戦略プロジェクト」と、経済産業省実施の事業「希少金属代替材料開発プロジェクト」だ。本年度の採択研究は、前者で7テーマ、後者で5テーマが進行している。20世紀に飛躍的に発展した「物質科学」の研究は世界中で行われているが、これを資源問題や環境問題に結び付け、戦略化した点が「日本らしさ」であろう。
stock.xchngより 自動車や電気製品などに組み込まれている電子部品には、インジウム、ゲルマニウム、レニウムなどの希少金属(レアメタル)が不可欠。これらの鉱物は原油と同様に、その資源獲得のグローバル競争が苛烈となり、我が国のような輸入国にとってアフリカ、中央アジアの産出国との協調は重要課題だ。エレクトロニクス分野の最先進国である我が国にとっては、産業の存亡をかけた問題である。これも一つの「資源安全保障問題」と言える。
「成長と改革の予算」と銘打った来年度政府予算案の中にも「レアメタル対策の推進」として48億円が盛り込まれている。資源国と共同での鉱山開発や、国内での再利用や代替材料の開発に取り組むための予算である。その金額は項目に挙げられているだけでもマシという程度ではあるが......。この国家プロジェクト「元素戦略」で注目される点は、学者サイドが役所を動かし、国の政策に採り上げさせたことである。
専門雑誌「化学」12月号に「動き出した元素戦略」が特集されている。大阪大学の村井眞二名誉教授が「元素戦略!! 化学の力の夢舞台」と題し、巻頭言を書いている。この分野の日本を代表する研究者たちが、それぞれに熱い思いを語っていて、読んでいくうちに「頑張れ!」と声援を送りたくなる。
「元素戦略」が生まれるきっかけは、2004年4月の箱根ワークショップ「物質科学の未来戦略」に遡る。そこでは従来の「何々のための物質科学」でなく「物質科学の先導する何々」に発想を転換した議論が交わされた。
京都大学の玉尾皓平名誉教授の「元素科学」に基づいて、東京工業大学の細野秀雄教授の「ユビキタス元素戦略」と、それを広げた東京大学の中村栄一教授の「元素戦略」に結びついた経緯がある。「箱根会議は物質科学の歴史を変えた日であった」と玉尾教授は語っている。
註:「ユビキタス元素戦略」はクラーク数上位10位にある日本でも容易に確保できる豊富な元素で希少金属材料を置き換えようとするプロジェクトである。これが実現すれば日本の深刻な課題である「希少資源の確保」は解消する。(クラーク数とは、地殻中に含まれる元素の割合を重量%で表示したもので、1位酸素、2位ケイ素、3位アルミニウム、4位鉄、5位カルシウム、......)。
元来、日本の「物質科学の研究」には強い伝統が根付いていて、「光触媒のチタン」、「青色発光ダイオードのガリウムナイトライト」、「高活性遷移金属触媒」、「銅系高温超伝導酸化物」など世界に誇る数多くの発見発明がある。
日本の化学者たち、特に中堅・若手の研究者たちは、国家プロジェクト「元素戦略」の遂行に当たり、「何も出なかったら困りますね」と言いながら情熱を燃やしている。「思いもかけない大発見」のロマンを追いかけつつ「化学の醍醐味」を堪能しているようだ。
コメント:
雑誌事態は見ていないですが、元素戦略が進んでいるということでうれしい限りです